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もとは美術展評のブログ 絵画と映画と小説と、そして哲学を少々

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鈴木啓太

鈴木啓太『CHORD』(gallery.sora.)★★☆  どんな訳で、こんなギャラリーにやってきたのか自分でもよくわからない。「NEW favorite」という現代美術のギャラリー案内のパンフレットを見てやってきた。中央区というのは辺鄙なところで、なにもそれらしきものがない不思議な街だ。第一、〈sora〉なんていう名前が怪しい。  車のナビで近くまで行き、女房が車から降りて場所を探した。例によって、一向に探し当てることができない。目の前の電信柱には、ギャラリーがあるはずの所番地がかいてある。それでも、ギャラリーらしきものはどこにもないと、女房はその一角を行ったり来たりしている。車を止めた横が空き地で、そこに接したビルにgalleryがあるはずだ。しかし、どこにもギャラリーの名前がないという。上の階かもしれない。中に入って、確かめろという。少し経って出てきた女房は、確かにgallery.sora.があったけれど、なにも展示してない。女の人に開始は2時だと言われたと言う。でも、2時まであと10分しかないのに壁には何も架かっていないし、何かちょっと不思議である。  見るのをやめて帰ろうかとも思ったが、今回は、『NEW favorite』に載っているギャラリーはみんな見てやろうという意気込みなので、少し待つことにした。  近くに駐車場がないので、私がまず行って、面白かったら交替するということにした。ギャラリーの方に歩いていくと、女性が出てきて、始まったという。中は薄暗く、ビデオが上映されていた。*
プレス用の説明書によると、「早朝の光が部屋の中を静かに満たしていく光景を描いた8分の映像作品である。」 まさに、何の変哲もない映像作品だ。映画でも夜明けのシーンはよくあるし、だれもが「夜が白々と明ける」のを経験したことがあるだろう。  同じような映像作品に、ウォーホルの《エンパイア・ステート・ビル》がある。8時間も使って、無理矢理人を退屈にさせるアートだ。しかし、退屈するのに8時間もいらない。3分で足りる。はじめは、何か起こるかも知れないと見ているが、何も起きない。そのうち、これは何も起きないことを写しているのだと気付くが、いま、見るのをやめたら、アートが分からないことがバレるのではないかと、見栄で我慢して3分ぐらい見た。  本当のこといえば、3分もいらない。「エンパイア・ステート・ビルを8時間とり続けたフィルム」と聞いただけで退屈する。これはコンセプチャル・アートなのだ。見る必要さえない。  鈴木の作品は、8時間ではなく8分だ。しかも変化がある。枕草子の冒頭を持ち出すまでもなく、夜が明けていく光景は美しい。不思議な魅力がある。それは、「そこに在るものの形・色彩・質感といった『そのものの存在を語る上で必要な構成要素』が徐々に立ち現れていく様は、静謐ながら強い印象を残す」と説明書きにある通りだ。  わたしは、8分間飽きずにビデオ映像を眺めた。ただ、実際の夜明けの風景を眺めるのと同じ感動をもって眺めただけだ。これでは単なる記録映画ではないか。アートになるためには、何かが足りない。  そのためかどうか、作者は画面の中に、フィルムのエマルジョン・テストみたいな大きなカラーチャートを置く。暗がりでは色が分からなくなることは誰でも知っている。そして、明るくなるにしたがって、色も次第に細かく識別できるようになる。それは、カラーチャートを使うことで、さらにハッキリとする。しかし、それではアートではなく、心理学の実験になってしまわないだろうか。カラーチャートが見え始めると、なにか被験者になったような気分で、面白くない。  カラーチャートを画面入れることで、単純な夜明けのシーンになることは免れたが、そのかわりに知覚心理学の実験記録になってしまった。これは一種のジレンマで、どちらにしろ、これではアートの感動が伝わってこない。そこをなんとか工夫するのがアートではないか。  そもそも、ビデオ自身が時間的なメデュウムなのだから、それで変化の本質を捉えることはできない。もちろんそこに空間の構造が現れてくるかも知れないが、どうも説明的分析的で面白くない。  鈴木は空間意識の問題を探求しているという。この作品のように〈出現〉ではなく、〈消失〉の問題も扱っているということだ。また、もともとは芸大の建築科の出身で、立体作品もあるという。ぜひ、機会があれば見たいと思っている。  ひょっとしたら立体作品(インスタレーション)は面白いかも知れないということで、暫定的に星二つ半。  結局、女房には薦めなかった。もし、見たら半日は文句を言い続けただろう。 にほんブログ村 美術ブログへ
2007.01.03[Wed] Post 00:52  CO:0  TB:0  -鈴木啓太  Top▲

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