Ingrid Weber
イングリット・ヴェーバー展(タグチファインアート)★★★
展覧会のタイトルは「シーファー」である。Schieferというのは、頁岩から作った灰色の顔料のことで、その絵の具で描いたモノクロームの抽象画展である。 こういう現代の抽象画を評価するのは難しい。いつものように、最初の印象で判断すれば、なかなか面白いというのが第一印象だ。何とも微妙な灰色の絵の具が美しい。こびり付いた絵の具の凹凸が作り出す濃淡で、雲のようなイルージョンを作り出す気配もあるのだが、それは微かであって、圧倒的に絵の具のマチエールが勝っている。それは模様でも具象でもなく、ナイフで擦りつけつけられた物質的な絵の具なのだ。それに、厚いキャンバス・フレームをつかっているので、なおさらキャンバスの平面が誇張され、その平面にこ擦りつけられている絵の具が際立つのだ。だからといって支持体と絵の具が喧嘩をしているわけではない。絵の具をなすりつけた跡や、その凹凸が作り出す微妙な陰影と、そして透けて見えるキャンバス地の編み目などが一緒になって生むだす視覚と触覚の微妙な響き合いが我々を楽しませてくれる。 しかし、どうしても不満がのこる。絵画表面に緊張感がないのだ。抽象表現主義のようなイルージョンもないし、モノクローム絵画のようなコンセプチャルなものもない、ただのマチエールだけの絵ではないかという疑問が残るのだ。もちろん、作品数は少ないし、ヴェーバーの絵は今回見るのが初めてなのだから、拙速な判断は出来ないのはもちろんだ。 ドイツのサイトを検索したが、2001年にデュッセルドルフのGalerie Thomas Taubertの個展にヒットしただけで、あとはもっぱらタグチ・ファイン・アートなど日本での展覧会が多いようだ。そういえば、彼女の絵は日本人の感性にぴったりしているように思える。 TRACKBACK
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ファインアートファインアート(Fineart)とは日本画・洋画・彫刻などの純粋美術のことで、多くは個人的な芸術活動によって生み出された作品を指す。商業的な目的を第一とするデザインとは対立する概念であるとされる。純藝術。.wikilis{font-size:10px;color:#666666;}Qu .....続きを読む
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