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【上野の森美術館大賞展】① : 『失われた時を求めて』 佐藤順子《1年D組》と会田誠《あぜ道》 記録と記憶


少し解像度が低いので見にくいけれど、F100製作中の佐藤順子 キャンバスの上部に下絵を描いたトレーシングペーパーが捲ってある。F10号が手前に見える。絵具の汚れや余白を見るためには展覧会にどうぞ。




【上野の森美術館大賞展】入選 《昭和35年度都立西高等学校入学 1年D組》 佐藤順子


《1年D組》の集合写真(白黒)を元にした作品は3つある。最初の作品はエッチングだった。写真を元にしたにも拘わらず工房仲間に評判がよかった。

その次はエッチングを元にして、F10のキャンバスに油絵の具で描いた。最初はモノクロにしようとした。しかし、この時は「記録と記憶の融合」がコンセプトだったのでカラーにした。色は正確には思い出せないので適当にカラーコーディネイトした。黄色や青の目立つ色も使った。背景を校舎にするか灰色ツートーンにするか決めかねて、そのままに放っておいた。見ているうちに段々と愛着が湧いてきたようだ。

つぎに、公募展に応募するためF100に拡大することにした。F10はミニアチュールのようでカワイイからいいのだけれど、F100号に拡大したらきっと間が抜けるのではないかという私の意見に、「だめなら消せばいいのよ」と今度はトレーシング・ペーパーをキャンバスに被せて、その上からA4に拡大コピーした写真をみながら下絵を描き、それを今度はトレーシングを透かしたり、持ち上げたりしながらイエローオーカーと鉛筆で下絵をキャンバスに描き写した。バランスぐらい測って描けばいいと思うのだが、右から左へ順番に、むしろ乱暴と言ったほうがいいぐらいに雑に描いていった。今度は0号の筆ではなくちょっと太めの筆で大胆に描いた。黄青赤もF10のときより明るく目立つように描いた。偶然と言えば偶然なのだが、詰襟の黒が美しい。

佐藤順子の《昭和35年度都立西高等学校入学 1年D組》は会田誠の《あぜ道》である。《あぜ道》は『失われた時を求めて』だと以前佐藤順子は言った。同じように《1年D組》も「失われた時を求めて」だ。会田の《あぜ道》は「土地」に結びついている。新潟は会田にとってのコンブレーだ。それに対して佐藤順子の《1年D組》は「時代」に結びついている。昭和35年は60年安保の年だ。会田誠の小説『青春と変態』とはまた別の青春があったのだ。

エピソードを一つ。夏休みに小学一年生の孫娘が休暇を過ごしにやって来た。孫は婆さんのアトリエに入り込んで絵や粘土で遊ぶのが大好きだ。早速、《1年D組》を見つけて、しばらく眺めていたけれど、「同じに見えるけれど、よく見るとみんな違うんだね」と感心した。それで、婆サンが「誰が一番かっこいいと思う」と訊いた。すると孫娘は「これだ!」と言って指さしたのが前列左からx番目の「kくん」だった。

名前はしらないが、kくんのことは何度か聞いたことがある。入学式から数日後の10分休みに自分の席で『アンナ・カレーニナ』を読んでいたら、kくんが順子さんの机に尻を乗せて「何読んでるの」と本を覗きこんだ。その瞬間順子さんがkくんの頬をピシャっとひっぱたいた。左利きなのでなおさらうまい具合に命中した。ここでkくんがとった行動が負けていない。順子さんがkくんをひっぱたいたのは、kくんの二枚目気取りが気に入らなかったからで、二枚目が女にひっぱたかれたらみっともないことこの上ないのだが、kくんは慌てず騒がず「ふん、俺に惚れてるんだろう」という態度を最後まで取リ続けたというのだ。kくんはどうみても二枚目ではなく三枚目にしか見えなかったけれど憎めなかった。

さて、話を《あぜ道》と《1年D組》の比較に戻ると、「イラスト」(図説・主題絵画のことです)としては会田の《あぜ道》が断然優れている。そのことはココ()に、しかし、「絵画」としては佐藤順子の《1年D組》がやや優れている。これはジャンルが違うということであり、絵画がイラストより偉いと言っているわけではない。今年の『上野の森美術館大賞』を受賞した王青さんの《玄牝 げんぴん》はイラストなのか絵画なのか分からない「はんじもん」みたいな作品だけれど駄作には違いない。

さて、次回は《1年D組》の絵画としての面白さを書きます。そのまえに
『第32回上野の森美術館大賞展』について考えてみます。

訂正(3/14):ニョウボから「これじゃ私がモテタみたいじゃない」と抗議を受けたので訂正しておきます。
2014.03.13[Thu] Post 18:50  CO:0  TB:0  上野の森美術館大賞展  Top▲

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