大竹伸朗(1)
大竹伸朗と茂木健一郎
新日曜美術館で大竹伸朗全景の特集をやっていた。案内人がアハ体験の茂木健一郎だったけれど、もう一度大竹伸朗全景展にいくつもりで、雑誌などで大竹の記事を読んでいるところだったので、我慢してみた。 少し、遅れて八時十分ごろテレビのスイッチを入れると、いきなり、白い手袋をした大竹がスクラップブックをめくりながら、ロンドンのマッチ・ラベルの話とか、ダビンチの画集を使ったとか、いろんなところで話したり書いたりしていることを繰り返している。わたしは、その白い手袋がなんか変だなあ、汚したりとかイタズラガキもしてあるのに、それに、これは現在進行中の作品じゃないかと思いながら、見ていると、茂木健一郎がスクラップブックを受け取って、奇妙なことを言い始めた。* 「ジャングルみたいに同じページを探すのは大変だ」
「文脈が変わるんですよ。AのよこにBを置くことによって」 「大竹さんの作品には強度を感じるんですよね・・・無意識とか、脳の中に蓄積されてるもの・・・、偶然性・・・、既にそこにあるもの・・・」あとのほうは、大竹自身がいってることだ。 そして、茂木は突然宣言する。「芸術とは化学反応だ!」って。えっ!芸術は爆発じゃなかったのか。 さらに茂木は続ける。「文明って割り切ることだが、言葉では割り切れないことを表すのが芸術だ」そうか、だから茂木さんのレトリックもお粗末なんだ。 と、言う具合に、何の役にもたたない番組だったが、新日曜美術館は、なぜ、大竹伸朗の対談相手に茂木を選んだのだろう。茂木がNHK貢献度が高いのは知っているが、これは紅白歌合戦ではない。貢献度で選ばれても困る。大竹は、まだ、誰もまともに評論したことのないアーティストだと言われている。それなのに、よりによって、アハ体験の茂木とは、アホな。 浅田は『美術手帖』で、この展覧会の解説を頼まれたが、「大竹伸朗のアートはロックなのだから解説など必要ないし書きようもない」という「卑怯な逃げ口上」で断ったと述べているが、『モダニストの物言い』で、上田高弘に、正当にも、書物の帯用の推薦文作家と皮肉られていた浅田をもってしても書けないとはどういうことだろう。 先ほどの茂木の「芸術は化学反応だ」という発言のあと、大竹は「そうなんです、芸術は主張じゃないんですね」といっていた。もし、大竹の作品に主張がないならば、露骨な主張しか理解できない評論家たちが大竹の作品について何も語れないのは当然のことであろう。 『美術手帖』と『ユリイカ』と『ART iT』の大竹伸朗特集を拾い読みした。その感想は次回 TRACKBACK
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