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まとめ【『絵描き小僧展』 BEA】

たけしはこれまでもいろいろな形でアートと関わってきた。映画『HANA-BI』で使われた絵は、オートバイ事故 .....続きを読む
2012.11.22[Thu]  発信元:まっとめBLOG速報  

『絵描き小僧展』 BEAT TAKESHI (オペラシティ・アートギャラリー)《Monsieur Pollock》①

たけしはこれまでもいろいろな形でアートと関わってきた。映画『HANA-BI』で使われた絵は、オートバイ事故の後に自分で描いたという。『アキレスと亀』は売れない画家を主人公に撮っている。勿論、主人公の絵はたけしが描いている。それから忘れてはいけないのが、テレビのバラエティ番組『誰でもピカソ』の司会だ。

今回の展覧会は、自分で制作したのは絵だけで、あとは財団のスッタフとのコラボレーションだという。たけしの「縁日」だと誰かがネットで言っていたけれど、たしかに、2006年の『カルティエ現代美術財団コレクション展』(東京現代美術館)のお笑い版と思えば間違いない。思い出すのは『誰でもピカソ』の審査員をしていた明和電機のガジェットだ。



《ニュートン銃》の実演の映像だが、観客のわざとらしい笑いに気づくだろう。水準器、水の中の泡、鏡、林檎を地球の中心に向かって撃つなど、まじめな顔で説明すると観客は笑う。おれは知的なギャグが分かるんだという笑いと、あまりのくだらなさに呆気にとられる笑いとが入り交じった笑いだ。明和電機も大げさな身振りで巧みに面白グッズを知的な芸術の文脈にのせている。明和電機は吉本興業に所属している。

たけしの作品も明和電機と同じ面白グッズなのだが、明和電機のように知的な説明をしない。たけしはあくまでお笑いにとどまる。芸術家ではなくお笑いなのだ。ところが、お笑いはたけし本業だから、そこは本業こそのお落し穴があって、観客は勝手にシリアスなコンセプトとがあると言ってみたくなる。しかし、たけしが凡百のお笑いと違う所は、決して、お笑いの分際を忘れないことだ。芸術家になったつもりのお笑い芸人に片岡鶴太郎画伯がいるけれど、たけしは鶴太郎をバカにしながらも、自分がそうならないための反面教師にしているフシもある。

たけしはすでにお笑いで大御所にされそうになったことがあるし、映画監督としても黒沢明に将来の日本映画を背負って立つ男だと言われ、芸大の教授になったにもかかわらず、けっして芸術家にならない。今回の『絵描き小僧展』はガラクタを何でもアートにしてしまうカルティエ現代美術財団とのコラボレーションではあったけれど、何とか現代美術ではなく縁日の面白グッズになっている。たけしはインタービューで、俺は何をやっても中途半端で、お笑いと映画とアートの三つ合わせてやっと一人前」と言っている。

《Monsieur Pollock》は縁日の面白グッズの域を超えて、現代アートの自己言及性の面白さがあるように見える。次回はこの作品を考えてみる。カルティエ現代美術財団の術中にはまったかな。






2012.08.24[Fri] Post 01:39  CO:0  TB:1  美術展評  Top▲

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