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『クレメント・グリーンバーグのコレクション』:工芸性について 


アマゾンで画集『clement greenberg a critic's collection』を見つけて購入した。かねてから、グリーンバーグがどんな作品を評価していたのか知りたいと思っていた。

有名なエピソードに、本来ならば彼が評価すべきステラを評価出来なかったのは、グリーバーグのモダニズム理論の限界だと、たとえばロザリンド・クラウスなどが批判したということがあった。私はステラの《ブラック・ペインティング》が知覚の優勢な、矩形の平たいリテラルな物体だと思っていたので、グリーンバーグのステラ評価は妥当なものだと思っていた。

ところが、この画集のグリーンバーグのコレクションを見ると、抽象表現主義ではなく、リテラルとまでは言わないけれど、知覚が優位な物体的な絵画が多い。

下のオリッツキーの作品は絵具が盛り上がって、工芸品の鎌倉彫のように見える。





               Jules Olitski's Noble Regard, 1989


他にも、Larry PoonsやDarryl Hughtoの絵具が盛り上がった作品や、Piero DorazioやDarryl Hughtoの工芸的な表面の作品がある。もちろん、イリュージョンが見える平面的な抽象画もコレクションされている。

画集を見ての最初の印象は失望である。グリーンバーグといえば抽象表現主義のペインタリーな作品を思い浮かべるが、コレクションはむしろポスト・ペインタリー・アブストラクションの作品が多い。

絵画の三層構造については『絵画の現象学第一章』()で既に述べた。絵画を見るということはキャンバス表面に線と絵具で描かれた図像客体の知覚に基づいて図像主題を想像することだ。ところが、彫刻は立体の像なので想像が働きにくく、知覚が優勢である。日常的な知覚空間、すなわち私の身体が所属する空間と同じ空間に彫刻は存在する。

それと同じように工芸もは知覚されており、その表面に描かれた装飾の絵も知覚された像客体が優位なのだ。例えば文箱に描かれた水仙は、何よりも知覚された像客体であり、想像された像主題は背景に退いている。

知覚は事物を見るということであり、したがって想像の場合のように空間のイリュージョンは見えない。事物の表面を知覚するということは立体ばかりではなく、表面が工芸的に処理されたキャンバス平面も事物の表面として知覚が優位になり、想像の働きは弱い。

そのような工芸的な表面をもった絵画は沢山ある。


公立美術館での企画展について: 『野田裕示展』と『松井冬子展』


桜井浜江


「工芸性」については以上の二つのブログを読めば十分だろう。表面が工芸品のような絵画は、抽象画であろうが具象画であろうが、想像より知覚が優位である。このような絵画は「知覚に基づく想像」という絵画が絵画であるための必要な条件を欠いていると言わなければならない。


2013.01.10[Thu] Post 00:44  CO:0  TB:0  絵画の現象学  Top▲

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