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公立美術館での企画展について: 『野田裕示展』と『松井冬子展』

『野田裕示展』は本当に、何が何やらよくわからない。国立新美術館開館5周年を記念して野田裕示の30年間に渡る140点の作品をあつめて展観に供するというのだから、大回顧展と言って良いだろう。今、横浜美術館で『松井冬子展』をやっている。『美術手帖』が特集を組んでいたから、美大生もたくさん見に来ているだろう。それにくらべ野田裕示の会場は閑散としている。美大生も来ていない。新作に取り組んでいる野田氏を映したビデオを画家らしき初老の男がじっと見ている。

泰西名画展なら美術愛好家たちで会場は溢れる。でも、現代アートの展覧会には観客は少ない。これまでにも日本人美術家の大掛かりな個展を幾つか見ているけれど、都立現代美術館の『大竹伸朗展』にしろ、横浜美術館の『李禹煥展』にしろ美術雑誌とタイアップしないと観客が集まらない。特集を組めば美大生が集まってくる。村上隆に言わせれば、美大生は美大に喰い物にされている。

どちらにしろ、にぎやかなのはいいことだ。少しぐらい作品が貧弱でも、なんとなく元気が出てくる。あるいは、客が少なても、芸術的に優れていれば、閑散とした美術館も悪くはない。ところが、この『野田裕示展』は、どうしてこんな大回顧展が企画されたのか良く分からない。カタログによれば若い頃からすでに「反絵画」を志していたらしい。そして初めから現代アートの文脈の中にいた。それは良い。しかし、その反絵画はとても質の低いものではなかったか。ブリジストン美術館でみた《アンフォルメル》の作品と変りないように私には思える。

初期の立体絵画や工芸品のような作品、キャンバスに凹凸をつけた作品など、どれも知覚が優位な物体的な絵画だ。それからデザインや挿絵やカットのような絵画が続き、そして何よりも終わりの方に展示されていた近作はわたしには全く理解不能の作品なのだ。二つの傾向があって、一つは、女体のような抽象図形のような、どっちつかずの作品、もうひとつも指を並べたような、仏像を並べたような、あるいはただの抽象的な模様のような作品だ。どちらも見ていると、少し神経を逆なでするような絵だ。抽象画と思えば具象画に見えるし、具象画と思えば抽象画に見える。なにかとらえどころがない。だからといって、マチスやデ・クーニングのように、具象画とも言えるし、抽象画とも言えるような緊張のある作品にはなってない。これも反絵画といえば言えそうだが、理論があろうがなかろうが、つまらない絵はつまらない。近づいて見れば、表面に何か仕掛けがあるかもしれないと思いはしたけれど、遠くから見ただけで、とても近づいて見る気は起きなかった。

それはともかく、気になったのは、こんな『野田裕示展』が国立新美術館で相当のお金をかけて開催され、『斉藤規矩夫展』は阿佐ヶ谷美術専門学校の入ったビルの一階のギャラリーVision'sで行われていることだ。アサビが後援し、野村財団が助成しているが、野田展の予算と比べれば大した金額ではないだろう。斉藤規矩夫を検索すれば、メジャーとは言えないまでも、海外ではそれなりに知られた作家であるし、美術批評の対象にもなっている。その作家が渡米して以来の日本初個展だという。松井冬子が華やかな個展を開催するのは分からないではない。しかし、野田裕示の個展と比べるとき、斉藤規矩夫に対する日本の美術界の応対はいささか冷淡な気がするのはわたしだけだろうか。













2012.03.02[Fri] Post 02:11  CO:0  TB:0  美術評論とは何か  Top▲

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