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⑭『ポロック展』:抽象画の見方と見え方(その4) 〈絵画の知覚と身体性〉

絵画は二つの方向に逸脱した。

一つは図像学の方向への逸脱だ。図像学が述べていることは絵画本来の図像主題、すなわち「知覚に基づいた想像」の記号性ではない。百合が純潔を表すといっても、その百合は、図像主題の百合だけではなく、生花の百合でも、造花の百合でも、「百合」という言葉でも純潔を表すことはできる。また、イヴ・クラインのモノクローム絵画には図像主題がないけれど、そのブルーの表面が「宇宙の神秘」を表すという。表すと言っても約定的なものではなく、ただ、作家が解説しているだけなのだが、いずれにしろ、知覚された事物が図像主題(イリュージョン)を媒介にせずに「神秘」を表現できるということになる。これらは、絵画本来の記号作用である「知覚にもとづく想像」ではない。

もう一つは、「オブジェ」への逸脱だ。絵画を見るということは、本来は図像主題を見ることだったが、抽象画の出現によって、図像主題がなくなり、さらに、空間のイリュージョンさえ殆どない絵画が現れた。想像ではなく、知覚が優位になった。知覚が優位になると、絵画が平たい物体になり、観者の身体はオブジェと同じリアルな空間に所属することになる。

と言うところまで書いたけれど、あとが続かない。記号論的アプローチをすると収拾がつかなくなる。もう一度「絵画の記号学」から「絵画の現象学」にもどって、絵画の「見方」ではなく、絵画の「見え方」を考えることにしよう。

【身体性】 まず、「身体性」を考えてみよう。この言葉は美術評論などで、よく目にするけれど、それが一体何を意味するのかはっきりとしない。どうやらメルロ・ポンティから借用した言葉のようだが、初めて聞いたのは李禹煥の《余白の芸術》(横浜美術館)のときだった。もの派の芸術運動と関係が在るらしいことまでは分かったが、どういう意味なのか正確には分からなかった。ただ、アクション・ペインティングから生まれたパフォーマンスやハプニングが身体性と結びついていることは理解できた。
 知覚(物体)と想像(イリュージョン)の視点から見ると、身体性の意味がよく理解できる。重要なことは、観者がオブジェ(彫刻などの物体)を知覚しているときは、観者の身体はオブジェを容れている空間と同じ空間に所属していることだ。他方、絵画の想像空間と観者の身体空間とは絵画の物理的表面で切断されている。そのため、観者は絵画の想像空間に歩いて入る自分を想像するか、目だけでなぞることしかできない(グリーンバーグ)。もちろん物理的絵画(平たくて矩形の立体)を知覚しているときは、観者は絵画物体とおなじ空間に属しており、身体を動かせば、その運動に沿って、物体としての絵画の見え方は変化する。横から見れば、図像は歪んで見える。

絵画を見ることは「知覚に基づいて想像」することである。 知覚は身体と密接に結びついている。メルロ・ポンティはこれを「知覚の受肉」と言っている。反対に想像は無化することだとサルトルは言う。想像する観者は無化する自由な意識である。しかし、絵画は「知覚に基づいた想像」であり、「自由な想像」ではない。絵画はこの受動性と自由の境界領域にある。


2012.02.06[Mon] Post 00:56  CO:0  TB:0  ポロック展  Top▲

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