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ウィーン美術アカデミー展

  ウィーン美術アカデミー名品展(損保ジャパン美術館)★★

 ウィーン美術アカデミー名品展では、ルーカス・クラナッハの板絵が四枚見られるというので、期待して行った。しかし、少しがっかりした。画集で見た以上の感動はわいてこなかった。

ウィーン美術アカデミー

 今度の東京滞在ではこの名品展のほかに、エルミタージュ美術館展とベルギー王立美術館展の三つの美術館展を見る予定だ。しかし、名画を集めた美術館展を楽しむには、それなりの知識が必要なのだが、私の美術史の知識は貧弱なもので、せいぜいのところ、「ああ、これがあの有名な絵か!」と名所旧跡の見物客になるのがオチだろう。それなら、いっそ、キャプションなど見ないで、私が面白いと思った絵を選んでみよう。それが上にアップした三枚の絵である。
*
 これでは、わざわざ、絵が分かっていないことをバラスようなものだが、仕方がない。
 最初の『若い女性の肖像』は、レンブラントが26歳のときの作品。まだ、成熟期のような劇的な明暗法ではなく、柔らかい光に包まれた人物を巧みに描写している。サインもあるらしいのだが、わたしにはとてもレンブラントの真作とは思えない。どちらにしろ、わたしがこの絵に惹きつけられたのは、その白と黒の階調の美しさである。写真ではこれだけの階調を表すのは不可能だ。
 アンセル・アダムスの「ゾーン・システム」は、白の階調を生かすためには、露出を切りつめて現像時間を長くし、反対に黒の階調を生かすためには、露出を多くして現像時間を短くする。現在では多階調印画紙を使って、プリント時にも多少の調整ができるが、それでも、一方を生かすためには他方を犠牲にしなければならず、とてもレンブラントの『若い女性の肖像』のようにはいかない。

 つぎは、クールベの《オルナンの近くの岩場の風景》である。最初に目を惹いたのは、下の方にある青い部分だ。風景画というより、抽象画のように見えたが、少し近づいて見ると、青い絵の具は水たまりに映った空だと判る。左に崖があり、地層が見えている。遠くの山腹も削られて地層が見えている。油を抜き取られた絵の具がナイフや筆で擦りつけられているように見える。その向こうに森、山の連なり、そして空が見える。空の色は緑がかっていて暗く、水たまりに映った明るい空が、空ではなく、青い絵の具に見えてしまうのだ。
 遠近法で描かれた、近景中景遠景の風景画とちがって、この絵の絵の具は遠近法から抜け出そうとしているように見える。水たまりも小屋も地層も森も黄葉した木も、どれも塗りつけられた絵の具の塊になり、それでも、そこから自然の形と奥行きが現れてくる。クールベの中にも抽象画への衝動があったのではないかと思わせる作品だ。

 つぎの風景画を描いたローベルト・ルスははじめて聞く名前である。ごく普通の風景画なのだが、なぜか惹かれるものがある。沈む太陽や道行く人、それにリアルな描写は、お土産品の絵画としか思えない。彼の作品はもう一枚展示されているのだが、廃墟になった教会で蝋燭を灯している女を描いた《Motiv aus Eisenerz》で、どうも、だまし絵的な技法(?)を使うペテン師のような気もする。細かく描いた枝、夕空を映す水溜まりに残る轍、遠くにボンヤリ見える街灯、そして牛飼い、どう見てもキッチュな道具立て、どうしてこんな絵に惹きつけられるかわからない。
 おそらく高級ぶっていても、我々はだれでも、こんな平凡な夕暮れの風景が好きなのだ。それにしても、乱雑に描かれた枝にこれほど魅せられとは、きっと(近頃のはやりで言えば)、大脳のせいなのだろう。
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2006.11.05[Sun] Post 19:00  CO:0  TB:0  美術展評  Top▲

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