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もとは美術展評のブログ 絵画と映画と小説と、そして哲学を少々

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〔23〕遠近法と空間

《ニースの大きな室内》で、空間あるいは奥行きについて気づいたことを書いておく。

ひとつ化粧テーブルだ。テーブルというのは水平をあらわす。セザンヌでは水平が崩れて、キャンバス表面にせり上がっている静物画がある。ここでは、床がテーブルの右と左でズレており、左側が右に向かって低く傾斜している。そのズレた両側の床を水平のテーブルがつなげているのだが、その白い矩形が室内空間と窓外の空間を切り離している。心なしか、テーブルの右上の隅が迫り上がって見える。

もう一つの矩形が、壁に掛かっている絵だ。テーブルと床は水平だが、絵は壁や窓と同じように垂直である。この絵の中の壁に掛けられた絵は、この絵の縮小版になっている。左の縁の赤い線は元の絵にもあるし、右側の緑の線はフラインドだし、その左隣のモスリンのカーテンも縮小版に描かれている。そしてヴェランダの女性は、左下、化粧テーブルと鏡のあたりに描かれている。

もちろん縮小版といっても、そのなかに消失点があるわけではなく、言わば、一種の凝縮点で、窓外の遠景がわれわれの視線を遮るとするなら、壁に掛けられた絵は、手前の室内の空間を支えている。マチスは作品の中に窓や絵画を好んで描く。それが窓なのか絵画なのか区別がつかないこともある。窓が風景画に、絵画が窓や隣室に見えることもある。それは空間のイリュージョンの連続性によるだろう。

絵画のイリュージョンについて整理しておこう。絵画は紙やキャンバスの平面に描かれた線や色である。紙の上に丸を描く。数学の教科書にある円の図形である。円の内側は図で外側は地である。これはゲシュタルト心理学で言う図と地であり、反転することもある。これがイルージョンかどうかは難しい。現実の3次元の知覚世界でも事物が背景から浮き上がってみえる。もちろんこれが地と図の関係と同じではない。平面の知覚と立体の知覚は違うものだからだ。図形の知覚はあくまでも平面の知覚だが、立体はもともと背景より手前にあるからだ。これは両眼視差や、単眼でも運動視差があるからだ。

それでは、円に陰を付けたらどうなるだろう。これは「陰影による奥行き知覚」として知られた現象である。下に陰をつけると凸で、上に陰をつけると凹に見える。リアルに陰を描いたか、雑に描いたかで違うけれど、平面の上の濃淡に見えずに、球や凹みに光が当たって陰ができたように見えるのだ。これも平面上の濃淡や球や凹みに見えて不安的な現象といえる。特に上に陰がある凹みは容易に凸にも見えるようだ。凸や凹に見えるのは不安定なこと、そして、その時独特の非現実感が伴うことによって、それがオプティカル・イリュージョンであることが分かる。陰影を付けたハイパーリアルな球が浮き上がって見え、返って非現実的に見えることもある。この場合は、浮き上がった球体のイリュージョンが円の濃淡を付けた図形の知覚を隠してしまい、イリュージョンが安定的に見えることもある。そして、この場合は容易に首振り立体視(運動視差)が見える。球体と背景の間に遠近のイリュージョンが現れるので、頭を動かすと擬似的な運動視差が見えるのだ。(それから、序に言っておくと、上に陰をつけて凹んで見える方の円を首振り立体視をすると、あるいは瞬きを繰り返すと、次第に凸に見え浮き上がり、運動視差のイリュージョンが見えてくる。次のサイトで試してください。)

つづく




2011.11.09[Wed] Post 00:44  CO:0  TB:0  美術評論とは何か  Top▲

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