ART TOUCH 絵画と映画と小説と

もとは美術展評のブログ 絵画と映画と小説と、そして哲学を少々

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.--[--] Post --:--  CO:-  TB:-  スポンサー広告  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

TRACKBACK

スポンサーサイト のトラックバックアドレス
http://petapetahirahira.blog50.fc2.com/tb.php/785-9b32047e
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

「大きさについて」孫と遠近法 岡田さんへの手紙

遠近法との関連で、ポンゾ錯視、ミュラー錯視、恒常性などについて、具体的な図例を知りたくて検索をしていた。オプティカル・イリュージョンとピクトリアル・イリュージョン、図形と図像、図像客観と図像主題などが関わっているらしいことは推察できる。図像客体の十センチの少年が一メートル数十センチの図像主題に見えるのは、経験的に少年の身長がどのくらいか知っているからだ。絵に描かれた抽象的形体には大きさがないけれど、抽象彫刻には大きさがある。写真に撮れば大きさがわからなくなる。傍らに人が立てば大きさは判る。(線)遠近法と大きさは密接に関係していると言われるが、どう関係しているのか、なかなか理解出来ない。

以下のサイトを見つけた。私がやってみたかった実験を代わりにやってくれている。ひと通り試して欲しい。


『大きさの恒常性』

『ポンゾ錯視


個人差はあるだろうが、多くの人は解説に書いてあるとおりに見えるはずだ。試しに、遊びに来ていた五歳の孫娘にやってもらった。すると面白いことが起きた。予想できたことだが、一番ハッキリと「イリュージョン」が見えたのは『大きさの恒常性』のケーキだ。ケーキの背景を消すと、私にはもともと大きく見えた遠い方のケーキが、相変わらず少しだけ大きくみえた。孫には判らないようだった。そもそも離れている二つの大きさを比べるのは、それがたとえ図像でも難しいのではないか。

ポンゾ錯視の方は、正三角形と逆三角形では、不安定だけれど、ほぼ解説通りに見えていたようだが、具体的な遠近法で描かれた線路のような図例では、上の赤い線の方がはっきりと長く見えるだろうという予想に反して、ケーキのときほどハッキリとはしなかった。初見のときは、ハッキリと上の線が長く見えていたのだが、背景を消したり、場所を移動させたりしていたら、どちらが長いか分からなくなってしまったらしい。ところが、突然、孫娘は両手の人差指をモニターの前に平行に立て、その間から赤い線を見ようとした。たぶん、二本の線を遠近法的な図像ではなく、客観的な線分として見ようとしたのだ。でも、上手くいかかなかったのだろう。すぐにあきらめて、判らないと言った。

これは、「大きさの恒常性」のケーキの例で、同じように背景を消したり、位置を変えたりしても、元に戻せば、大きさも元のとおり大きく見えるのとは、随分と違っている。ケーキが大きく見えるのは線遠近法とは関係がないのではないか。手前のケーキを隠しても、あるいは隠せば、なおさらケーキは大きく見える。マグリットの部屋いっぱいのリンゴと同じ事だ。

たとえば、二階建て家の横に屋根まで届く人間を描けけば、遠近法とは関係がなく、それだけで、人間が大きく見える。あるいは家が小さく見える。もちろん、それが写真であれば、人間が尺度になって、家が小さく見える。ヴェラスケスの《エル・プリモ》は大人であるが、子供の背丈に見えるのは体つきが小人だからだ。

手を離して、遠近法の空間のなかで二つのケーキを見ると、理論的には縮尺の逆数を掛けただけケーキが大きく見えるはずだが、実際はそれほど大きくはみえない。大きさを比較しようとすると、大小の差は縮まる。それはたぶん、知覚している図形(図像客体)の客観的大きさが図像主題の大きさに影響を与えているのではないか。

もう一度、ポンゾ錯視に戻って、図像ではなく、正三角形を使ったポンゾ錯視の図形について考えてみよう。この図形は全くの平面図形であり、遠近感はないように見える。解説の説明から引用。

この錯視は、1928年にポンゾというイタリアの心理学者が考案したものです。これはしばしば遠近感にからめて説明されます。例えば三角形の2辺が、遠 くへ伸びている線路だと想像してみて下さい。すると、最初の図形の場合、上が地平線の方向になります。その線路の間に置かれた2本の棒が同じ長さに見えた としたら、実際は遠くにある方(上)が長いわけですよね。このような遠近感が錯視をひき起こしているというのです。


確かに水平線に伸びている線路だと想像すれば、奥行きの感覚が生じることは確かだ。しかも平行な線路がだんだんと狭くなって行く。そして上の線が少し長く見える。しかし、二本の線に注意を向けると、奥行き感は消えて、三角形は線路ではなく、もとの平面図形の三角形にもどる。重要なことは、元の三角形に戻っても、上の赤い線の方が長く見えることだ。線路と見立てたほうが長短の差が大きいようにも思えるが、確信はない。

三角形は無理やり、地平線に消える平行線(線路としては枕木がない)に見えなくはないけれど、そこに同じ(ぐらい)の長さの平行線を水平に描けば、遠近感(奥行き感)は減少する。二本の線の長短を比較しようとすると三角形は全くの平面図形になる。それでも、上の線が長く見えるのは、ポンゾ錯視が遠近法の奥行きの影響ではないとも言えるのではないか。上の線が下の線より狭いところに嵌めこまれているから、長いように見えるだけなのかもしれない。

ここまで執拗に繰り返せば、分かる人には分かったろう。多くの人は知覚と図像の違いを理解していない。三次元の知覚の世界では事物は遠くにあると小さくみえる。距離と大小は連動している。ところが図形では大きさと距離は関係していない。紙に描かれた二本の線は、どちらも紙の表面にある。だから見ている人から同じ距離にある。二本の線で紙を破って、別々のして、片方を遠くに、もう一方を近くのおいてみれば、遠くの線は近く線より短く見える。紙に描かれた二本の線は実在している。

紙の上の同じ長さの二本の線は同じ距離にある。ところが、長短二本の線があると、短い線が遠くにあるように見える。あたり前のことだが、同じ長さの二本の線は遠近感のイリュージョンを作らない。少し長く見えるのは遠近法のせいではない。奥行き空間のなかに二本の水平線を書いても、遠くにある線が長く見えることはない。反対に遠近感を阻害するように働く。遠くにある線が長く見えるなんて都合の良いことは生じない。だから、線路の枕木の間に赤い線をおいても、それは線路の奥行きの空間に収まらずに、浮き出て見える。そもそも枕木は同じ長さにみえない。遠くにある枕木が短く見える。というより、短く描くことで遠くにあるかのようなイリュージョンを生んでいる。同じ長さに見える代わりに、奥行きがあるように見るのだ。

話が混乱しただろうか。現実の知覚では三次元の空間を見ている。遠くにある者は小さく見えることを知っている。絵画では逆に小さく描かれたものが遠くにあるようなイリュージョンを生むのだ。ポンゾ錯視は遠近法とは異なる現象のようだ。しかし、遠近法の影響は受けていると思われる。

以上の現象の理解には、たぶん相当に工夫された心理学者の実験が必要だろう。たとえば、ポンゾ錯視やミュラー錯視がどの程度遠近法に影響を受けているかを解明する実験方法は私には思いつかない。ミュラー錯視の遠近法説は相当に怪しいと思う。(見ればわかるとおり、部屋の内部の空間と建物の外部の空間とは、別の空間である)

こんな些細なイリュージョンのことは本当はどうでもいい。われわれの関心は「絵画を理解」することだ。実際の絵画鑑賞は見えるとおりに見ればいい。もちろんそれがオプティカル・イリュージョンなのかピクトリアル・イリュージョンなのかは絵画の観賞に重要な影響を与える。そして、これは、岡田さんには秘密だが、実は絵画の空間イリュージョンの問題につながっている。

一部というか半分以上文脈がおかしくなっていると思いますが、これはわたしの絵画の理解が不完全だということもあるが、それよりも、絵画そのものの問題が神秘に満ちている所為だと、一応理解してもらえればありがたい。






大きさと奥行きの関係はどうだろう。

全くの無地の白い紙の左下に、正面向きでも後ろ向きでもいいから人物像を描き、右上にそれより少しちいさい人物像を描いたら、どう見えるだろう。道や建造物がなくても遠近感奥行き感を感じるだろう。

2011.10.22[Sat] Post 22:22  CO:0  TB:0  美術評論とは何か  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

TRACKBACK

「大きさについて」孫と遠近法 岡田さんへの手紙 のトラックバックアドレス
http://petapetahirahira.blog50.fc2.com/tb.php/785-9b32047e
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Log in*/RSS*】  Design 「AZ+」Plugin Template...  Page Top▲
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。