烏丸由美展(MIZUMA ART GALLERY)★☆
流行のパステルカラーでTokyoの少女たちを描いた作品。こんな風な配色は、以前は、イラストとしてずいぶん流行したような気がする。
Photoshopによる写真の加工として写真誌などで紹介されていた配色そっくりである。明度を基準に「選択」すると、一致する範囲が等高線のように選択される。そこをいろんな色で塗れば丁度烏丸のような配色の写真ができるのだ。烏丸はプロジェクターを使って自分の感性で選択しているらしいが、オリジナリティはそれほど感じられない。(ひょっとしたらこんな色は烏丸が最初かもしれない)
イタリアで活躍しているとのことだが、おそらく、この技法よりも、東京の少女たちの風俗を描いたジャパン・ポップとして受け入れられているのではないか。烏丸には、仮面や化粧やモンタージュによって多重なアイデンティティーをもつ人間のポートレイト写真集(これは面白い)があるのだが、そこにもジャポニスムの雰囲気がある。外国で受け入れられるにはどうしても日本風味付けが必要なのだろが、日本人のわたしには面白いものとは思えない。(Kaikai Kikiのタカノ綾も同じような戦略だった)
烏丸由美のホームページ