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〔11〕美術評論とはなにか:木村賢太郎 《七つの祈り》 (東京国立近代美術館常設展示)

今回は、東京に行って、いくつか展覧会を観てきたので、「ピカソの肖像画」で知覚錯覚想像を考えることはお休みにして、木村賢太郎の《七つの祈り》を例に「知覚とイリュージョン」を考えることにする。



《七つの祈り》は、発表当時(68年?)だったと思うが、週刊誌のタウン欄のモノクロ写真を見て、固い石で柔らかい餅を作るのが面白いと思って、記憶に残っていた。

だいぶ後になって、近代美術館の庭にあることに気づいたけれど、わざわざ近寄って見ることはなかった。それでも、彫刻の事を考えるときは、いつも思い出す気になる彫刻だった。それで、今回のクレー展を見に近代美術館に行ったついでに、そばまで行って確かめて見た。木村賢太郎の《七つの祈り》とあった。

たしかに、硬い石を削って磨いて柔らか餅のようした石を七つ重ねてある。タイトルの「七つの祈り」は抽象彫刻にありがちな象徴的なもので、七つあるものなら何でも付けられるタイトルだから、意味が無いと言えば意味が無い。

《七つの餅》というタイトルで、木村賢太郎の同じような作品が小学館ビルにあるそうだが、どちらにしろ餅の像ではなく、餅のように見えるだけだ。想像ではなく、実在の事物を知覚している。

それなら、柔らかさはどうだろう。石の硬さは知覚しているけれど、形の柔らかさは想像しているのではないか。石の硬さは手で触ってみればわかるけれど、形の柔らかさは分からないというなら、それは間違っている。触覚と視覚は同じ知覚の仲間だし、形の柔らかさも触覚で判るものだ。

この辺りのことは、あまり深入りしても仕方がないけれど、簡単に整理しておく。彫刻の素材の硬さも形の柔らかさも知覚(視覚と触覚)している。その彫刻を写真(絵)に撮れば、石の硬さも、形の柔らかさも写真に写っている。だから目で見ることが出来る。しかし、手で触ることはできない。手で触れれば、彫刻の硬さではなく、知覚している印画紙あるいはキャンバス地の材質感を触知するだけだ。

これは、彫刻では事物の知覚が優位で、絵画では想像(イリュージョン)が優位だということだ。絵画(写真)で見ているのはイリュージョンなので、手で触れることはできない。

彫刻が分かりにくいのは、イリュージョンを持ちにくいからだ。(彫刻塑像の知覚とイリュージョンについてはブログ『ロスコとジャコメッティ』を参照)若い頃、ロダンがつまらなくて、ブランクーシやアルプの抽象彫刻が好きだった。今、思えば、具象彫刻のほうが抽象彫刻よりイリュージョンを持ちにくかったのかもしれない。国立西洋美術館で、はじめて《考える人》や《カレーの市民》を見たときの失望感、そして、《地獄門》を見たとき、自分には芸術がわからないのではないかという苛立ちで、その場を去りがたく、グズグズと《地獄の門》を見ているフリをしていたのを今でも思い出す。

木村賢太郎の《七つの祈り》の硬い石が柔らかさを表わすのは、イリュージョンではないかと思ったが、石の硬さと形の柔らかさは知覚なかで共存しており、観者の空間と作品の空間は連続した知覚空間であり、彫刻のイリュージョン空間が現出することはないように思えた。

固いもので柔らかいものを表現するというのは、、草間弥生の《ソフト・スカルプチャー》の男根と共通した面白さがあるだけのような気がする。

知覚とイリュージョンは多層的複合的であり、図像の三層構造と同じように、明確に分けることはできない。絵や彫刻を見るということは、この曖昧さを見るということでもあるのだ。彫刻について図像学やモデルや造形的なことをいくら語っても、知覚とイリュージョンについて語らなければ、彫刻の評論とは言えないだろう。

次回は彫刻のイリュージョン空間について











2011.06.23[Thu] Post 00:59  CO:0  TB:0  美術評論とは何か  Top▲

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