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もとは美術展評のブログ 絵画と映画と小説と、そして哲学を少々

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『バーネット・ニューマン展』(川村記念美術館)

『ニューマン展』は、去年、見たのだけれど、展評を書かずに放っておいた。書きたいことがなかったわけではない。《アンナの光》はこれまでなんども見ている。見るたびに新鮮な感動を覚えたけれど、それを抽象表現主義の作品として論じる気にはならなかった。

ニューマン論もいくつか読んだけれど、ジップ絵画はあまり見ていなかった。それ以前の作品も見たことがなかったこともあり、あまりよく理解できなかったし、興味も湧かなかった。ジップ絵画を中心に論じた評論もあったが、知覚心理学と神学を結合したような空疎な議論にはとてもついていけなかった。たぶん、ニューマンの言説を下敷きにしているのだろう。

ともかく、常設展示の抽象作品から見はじめた。ポロックの《緑、黒、黄褐色、のコンポジション》は、いつものように、左上に馬のような形がみえて、気になってしょうがない。

キャンバスの形(shape)を繰り返す《Tomlinson Court Park》や《ポルタゴ侯爵》は、自己言及性と考えれば面白い。しかし、立体絵画の方はギャグとしか思えない。

モーリス・ルイスのヴェール絵画《ギメル》があった。『モーリス・ルイス 秘密の色層』展で見たときは、ヴェール絵画が四五枚並べてあったので、色違いのカーテン見本のように見えて、がっかりしたのだが、今回はこの緑の《ギメル》だけだったためか、そこだけがオーラに輝いていた。

ニューマンの部屋にはいった。最初に、アヅキ色の色面を白い線が真ん中で分割している絵がある。

隣の部屋には谷岡ヤスジの「アサ~ッ!」の鳥を思い出させるような絵や、出来損ないのロールシャッハの図版のような絵もあった。

それから、ジップ絵画がならべてある。じっと我慢して見ていると、なんとなくいろいろなオプティカルなイリュージョンが見えるような気がしてくる。紙にプリントしたリトグラフ《18の詩篇》は、李禹煥の作品を彷彿とさせる。

彫刻があった。コルテン鋼の細い柱が三本立っている。ブランクーシの《無限柱》は、そろばん玉のようなものが繰り返されて無限を表わすのだろうが、こちらはただの鉄の棒である。しかし、何も無い分、一層、象徴性が強められているとも言える。

ともかく、ニューマンのジップ絵画を見ることは、一種の拷問だ。無意味な文字列をむりやり覚えさせられているような気がしてくる。

へとへとに疲れて、最後の《アンナの光》を見た。震えるような感動をおぼえた。ニューマンは《アンナの光》で、これまでの自分の作品や芸術論ばかりではなく、ポロックもロスコもデ・クーニングも、そして、勿論評論家たちの言説も、全部まとめてゴミ箱に捨てたのだ。

われわれは、《アンナの光》のまえでは沈黙するほかない。



2011.01.14[Fri] Post 22:28  CO:0  TB:0  美術展評  Top▲

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