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Art Inflation: Macy's Murakami (NYTimes11/24)

村上隆の《Kaikai and Kiki》がメーシー百貨店の感謝祭記念パレードの気球になった記事がNYTimesに出ている。

タイトルの「Art Inflation」は、アート価格の高騰のことだが、「Inflation Art」という言葉に掛けている。インフレーション・アートというのはアメリカのマンガやアニメで体が膨らんで風船みたいに浮いたりして面白がるぎゃぐである。

アート・インフレーションは村上隆の高値に対する皮肉だろう、記者のDave Itzkoffは当然ベルサイユ宮殿の村上隆展のことは知っているはずだが、そのことには一言も触れていない。随分と悪意に満ちた記事である。

以下、記事の要約

Kaikaiは、兎の格好をした子供のキャラクターで、Kikiは、牙をむき出しにした三つ目のイタズラ小僧である。気球の完成式では、村上は神式に二度お辞儀をして、二回かしわでを打った。セレモニーのあと、インタービューに現われた村上は、ぼさぼさの髪を後ろでダンゴに結んで、元気いっぱいだった。

村上は言う。カイカイキキはテレビ番組のプロモーションでもないし、朝食用コーンフレークの広告キャラでもない。二人は村上の芸術の奥義をみんなに伝える遊び心に満ちた親善大使なのだから、メーシーのパレードで目立とうなんて思わない。ただ、当日の朝の天気が心配なだけだ。

“I was thinking about sunshine,” と村上はbroken Englishで言った。以下そのブロークン・イングリッシュ。“Tomorrow the report is a little bit rainy. But I already talk with my feng shui master in Taiwan, and he already take care about that.”(記者は典型的な侮蔑的日本人観の持主である)

そのあと、パレードの責任者が電話インタビューに答える。気球のキャラクターは、子どもが見てすぐに分かるSpongeBob SquarePants and Dora the Explorerのようなフィギュアを選択するのだが、07年のジェフ・クーンズのウサギ、08年のキース・ヘリングのハートなどハイアートも選んでいる。そして、村上隆に今年のパレードの気球を依頼した。(ベルサイユ宮殿の展覧会でも、村上隆の先にジェフ・クーンズの展覧会が開催されている。)

村上は、ルイ・ビトンのバッグとカシオの時計のデザインだけではなく、サイケデリックなアニメキャラの風船彫刻でもよく知られている。

しかし、村上は言う。(自分は単なるデザイナーではなく)《Kaikai&Kiki》はいろんな意味で、自分の作品の背後にある美的哲学を表象しており、彼らは、可愛らしく且つ怖く、現代的であるとともに且つ過去と結びついている。彼らは、エクセントリックな美なのだ。(このあたりは最後のオチに繋がっている)

複雑な形なので、浮かぶために十分なヘリウムが充填できるか心配だったけれど、無事浮いたので良かった。明日の朝、パレードを生で観る子供たちも、テレビで見る数百万の子供たちも、たぶん、村上隆の名前は聞いたことはないだろう。

可愛らしさと邪悪さが混じり合ったカイカイキキはメーシー百貨店のコンセプトにあわないとパレードの責任者は認める。いろいろ話に聞いていたところでは、ちょっとグロテスクな感じがしたけれど、出来上がったのを見ればそう悪くない。

結局のところ、メーシーの基準は子供たちがそれが何だか判るかどうかではなく、子どもが気に入るかどうかだ。

子供連れの親は、「これが何の気球か知らない。カンフーパンダならしってるけど、こっちのはポケモンのキャラクターじゃない。いいにくけれど、男の子たちはこういうピンクのはなんでも本当に嫌いだわ。」と言った。

以上要約終わり

外国語なので、必ずしもニュアンスを理解している自信はないが、記者が皮肉を言っていることはうかがえる。

『美術手帖』のインタービューで、村上は「猿回しの猿に徹する」と言っている。イサム・ノグチがコンスタントな評価を受けなかったのは、日本人としてのキャラクターを放棄したからだ。「僕の場合は猿である立場をいっさい変えず、『はい、回って』と言われたら、くるっと回るだけ」(『美術手帖』11月号p90)と言っている。その言葉どおり、村上は「花のぬいぐるみ」を着てパレードに参加するとおどけているが、村上の魂胆は、Dave Itzkoff記者に見抜かれているようだ。

猿が哲学を論じてはいけない。

この記事の背景に、ニューヨークのパリに対するライバル意識があるのだろう。『美術手帖』の大特集やベルサイユ宮殿のデモ騒ぎを見て、日本人は村上が世界的なアーティストだと思っているかもしれない。村上自身も自分は世界的な美術史の文脈の中で評価されていると自慢しているけれど、自分たちこそアートの本場だと思っているニューヨークの新聞が村上をあまり評価していないことを知っておくのも悪くは無いだろう。

日本人蔑視をべつにすれば、村上芸術に対するDave Itzkoff記者の評価は妥当なところだろう。
2010.11.27[Sat] Post 22:24  CO:0  TB:0  -村上隆  Top▲

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