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会田誠の抽象画 『会田誠個展』(ミズマアートギャラリー)

産経新聞の文化欄に渋沢和彦がミズマの『会田誠個展』の展評を書いている。難しいアート理論を振り回すこともなく、『会田誠個展』に行ってみたくなるような簡潔な記事になっている。

ただ、一つだけ文句を言えば、新作の《1+1=2》については少し誤解があるようだ。そこの箇所を引用する。

 別の大作の新作「1+1=2」は会田のイメージとは大きくかけ離れている。オレンジ、ブルーなどの油絵の具を厚く塗りたくり、心の内面を表現するような表現で鮮烈。会田といえば前述の作品のように緻密(ちみつ)な作品で知られるだけに珍しい。近くで見るとまるで何が描かれているのか判別しないが、離れると1+1=2の数字の形が現れる。「灰色の山」とは対比的な作品といえるだろう。

これは会田の初めての抽象画なのだ。

会田は上野の森美術館の山口晃とのふたり展『アートで候』(2007年5月)で岡崎乾二郎の抽象画をパロって、浅田彰を批判をした。そのあと、2008年5月号の『美術手帖』の座談会「先生、僕に『絵画』を教えてください!」で彦坂尚嘉、辰野登恵子、古谷利裕を先生に呼んで、生徒の会田が抽象画を教わる企画があった。会田は岡崎を先生に頼んだが断られてので、古谷(岡崎の弟子?)をかわりに頼んだと言っていた。そして二年後の同じ5月にその成果を問う抽象画《1+1=2》を発表したということになる。

うろ覚えだが、会田が先生たちにしきりに聞いていたことは、美少女ならわかるが、抽象画はいったいどこから始めればいいのか分からないということだった。先生たちの答えは、適当にやれば良いと言うひどく曖昧なものだった。会田が辰野の抽象画を「本棚みたいな絵」というのに対して、辰野は「空間」がどうのこうのと言っていたけれど、話はあまり発展しなかった。

さて、会田が抽象画《1+1=2》を描く取っ掛かりにしたのは、グリーンバーグの「帰するところなき再現性(homeless representation)」である。デ・クーニングは「女」の表象を、津上みゆきは「風景」の表象(representation)を利用している。それに対して会田は記号の表象(representation)から始める。

数字は弁別的差異として数学的概念を表象している。しかし、同時に幾何学的あるいは彫塑的図形として抽象的な役割も担っている。グリーンバーグは「抽象表現主義の最良の成果のいくつかは、早くから再現性と戯れることによってえられたものだ」と言っている。果たして、会田の戯れは成功したのだろうか。写真を見る限り成功したようには思えない。(注1)

辰野が座談会で言った「空間」は果たしてどうなっているのか、新聞の小さな写真ではわからない。また、会田は岡崎の抽象画をつまらないと言っているのだから、自分の抽象画は面白いと思っているわけだ。たしかに色彩は岡崎の彩度の低い色彩よりも鮮やかで面白いと言えるかもしれない。しかし、どこか津上みゆきの色彩に似ていないか。もちろん会田の作品は油絵具の厚塗りで筆触が残っている。それにたいして、津上のはアクリルや日本画のメディウムを綿布にステインの手法で描いたものだ。ふたりとも、ピンク、黄色、橙、青、緑、そして、写真でははっきりしたことはいえないが、ところどころに黒をきかせる配色は、どこか通俗的ではないか。しかし、実物を見なければ、やはり、なんともいえない。

もちろん、個展には行くつもりだが、期待はできない。会田は、『アートで候』展で岡崎をパロった作品のキャプションに「浅田彰は下らないものを褒めそやし、大切なものを貶め、日本の美術界をさんざん停滞させた責任を、いつ、どうのようなかたちで取るのだろうか。」と書いた。執念深い浅田のことだ、この絵を見たらきっと一言おちょくるだろう。不謹慎だが、ちょっと楽しみだ。

私には、会田の最高傑作は依然として《書道教室》である。

注1:クレーには、アルファベット、象形文字、図形、そして、それらの断片を組み合わせて、「記号と絵画」の問題を探求した傑作がある。 『パウル・クレー』へ



「会田誠個展『絵バカ』展評:渋沢和彦(産経)VS西田健作(朝日)」
2010.05.19[Wed] Post 22:51  CO:0  TB:0  -会田誠  Top▲

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