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名和晃平

  名和晃平(原美術館ArtScope)★★★

 原美術館の『「アート・スコープ2005/2006」ーインターフェース・コンプレックス』展を見てきました。
 どういう趣旨の展覧会かは原美術館のHPを見て下さい。http://www.haramuseum.or.jp/generalTop.html
 出展者は日本人二人、ドイツ人二人の合計四名だった。ドイツ人の作品は、何度も見せられたような代わり映えのしないがらくたが並べてあって、例によって、私にはちんぷんかんぷんだったので、割愛して、名和晃平の作品の感想を書きます。
名和晃平

 この名和の作品が今回の展覧会の中で、一番おもしろかった。立体(インスタレーション)なので、クローズアップの写真では面白さがわかりません。キューブに顔近づけて両目で見て下さい。*
 原美術館は美術館といっても、もともと個人住宅を改造したものだから、狭くて、一人の作品をまとめて展示できないうえに、学芸員がインスタレーション好きで、奈良美智や宮島達男のインスタレーションが常設展示してあるので、なおさら展示空間が狭くなって、こちらの頭がいつも混乱する。(東京駅のステーション・ギャラリーは自分の身の丈にあった展覧会を開催していた)
 今回も玄関ホールや廊下、それから階段の踊り場の展示を見て、二階に上がると、展示室に「靴を脱いで入れ」との掲示がある。以前、東京都現代美術館の横尾忠則展のときも、靴を脱いで見ろ、というインスタレーションがあって(例の滝の絵はがきをならべたもの)、そこまでで、すでに、趣味が悪ければアートだ、みたいな横尾の作品に飽きていたので、見ないで通り過ぎようとしたら、館員にビニール袋を渡されて、こっちから入って、向こうから出るのが、順路だと言われて、しかたなく、靴を脱いで、そのまま反対側の出口から出ようと思ったけれど、くだんの館員が見ているので、しばらく滝の絵はがきを見るふりをして、腹を立てながら出たという、悲惨な体験をしたことがあって、今回は、用心深く家内を先に行かせて、外でまった。
 彼女曰く「よく分からないけれど、けっこう面白い」という判定で、靴を脱いで、部屋に入った。部屋は壁だけではなく、天井も床も白くて、陰影が出来ないようになっている。いわば無影室。
 作品「PixCell-Deer#4」は、鹿の剥製(?)に透明の大きなビーズ玉を貼り付けたもの。PixCellはpixelとcellを合成した名和晃平の造語。ようするに二次元の画素を三次元にしたものがpixcell。デジタル画像は画素で描かれた点描なら、この立体の鹿は三次元画素で作られた球(点)描というダジャレか。
 もう一つは「Water Cell」という作品。これは、ちょっと前に流行った照明器具、ライトに暖められたジェル状のものが他の液体の中をゆっくりと対流する例のインテリア商品を大がかりにしたもの。泡状のジェル(?)がゆっくりと落ちてくる様子は<さかしま>の感覚を生んで面白い。
 この二つは、まったく新しい感覚を生み出すというより、これまでにあったものをバージョン・アップしたような感じで、独創的とは言えないが、靴を脱いだだけの価値はあった。
 次の部屋も靴を脱いで入った。上にアップした写真がその作品。「Air Cell」と題してあるが、ブツブツは空気の胞ではなく、ホームページで推察するに、どうも接着剤らしい。それを透明のアクリル板(?)に粒状に縦横に並べて、その板をさらに積み重ねてキューブにしたもの。
 そうするとちょうど座標軸の目盛りが着いたデカルト的三次元空間のモデルになる。遠くから見ているぶんには、なんの変哲もないキューブだが、近づいてみると(クローズアップの写真を見れば分かるとおり)、連続した点が遠近法の規則に従って、奥へ奥へと連なって見える。写真は真上から一番上のAir Cellに焦点があっており、しかも、カメラだから片目で見ていることになり、写真では、単調に見える。しかし、実際に両目で見ると、いろいろなところに焦点を合わせることが出来るし、焦点から外れたところは、両眼視差もあって、ずいぶんと複雑に見えるのだ。
 光の方向性がない無影室なので、キューブの内部空間も等質的になってしまい、しかも、奥の方が空気遠近法のように暈けてみえるし、座標軸は四方八方に伸びて広がり、我々の身体がキューブのなかに吸い込まれるような錯覚も生じて、心地よい目眩がする。
 しかし、この作品で、意外に面白いのは、陰影のない等質なデカルト空間とおもえるキューブに、ノイズがあるからだ。接着剤の粒の形や大きさが微妙に違うのである。付着している位置もずれているので、単純な機械的な繰り返しになっていないので、コンピュータで作図したような平板さを免れ、キューブの三次元空間が錯視ではなく、どうにか知覚的現実性を保っている。 

 名和晃平は二次元と三次元、平面と立体、図像と物質、透過光と反射光、透明と屈折、そして、知覚と錯覚、視覚と触覚などの様々な感覚のズレを通して、我々の鈍った感覚を蘇生させようとしているのだろうが、どこか、不満なところがのこる。メデュウムや光の扱い、あるいはインスタレーションの方法にどうも革新的なものが欠けているようなきがするからだ。
 名和晃平の作品を見るのははじめてなので、これ以上の評価は今のところできない。
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2006.09.16[Sat] Post 19:48  CO:0  TB:0  名和晃平  Top▲

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