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『復讐・消えない傷痕』黒沢清監督★★★★

冒頭、覆面の一団が川べりに浮いた小屋の見張りを拳銃で撃って、何か大きな白い箱を奪って、駐車してあるワンボックスの車に載せて走り去る。その間、カメラは反時計回りに180度ぐるりと回転して、静止したカメラのフレームの外に車が走り去るまでの長回しだ。なかなかの職人技で、無理なフレーミングは一つもない。

拳銃の音がまるで運動会のスタートピストルのようにパン・パンというのはなんとかならないものかと思うのだが、撃たれた方も子供の西部劇ごっこのように倒れるのを見ているうちに、黒沢ワールドに引き込まれていく。

『トウキョウソナタ』では、母親が働かないのはおかしいとか、三ヶ月でドビッシーが弾けるわけがないとか、劇中劇はきらいだとかさんざん文句を言っていたニョウボも、『復讐・消えない傷痕』は気に入ったらしく★四つだそうだ。気に入ったのは、冒頭の長回しのところ、オープンカーで町中を走り回り、吉岡が段ボール箱にワザとぶつかるところ、温泉に行って吉岡と安城が石を投げて桜の木に当てっこするところ、それから小笠原を殺すのを邪魔しようとする愛人文江を何度も引っ張っては襖にぶつけるところ、2度目に行ったときにまた現れた文江を簡単にパンと撃ち殺してしまうところなど、やってることがガキっぽくてゴダールみたいで気に入ったそうだ。

わたしが気に入っているところは、服飾学院の生徒の美津子が課題の背広を作るために安城にモデルになってもらい採寸するところだ。死んだ女房に義理立てしてか他の女を避けている安城は自分の部屋ではなく、公園に行って採寸してもらう。胴囲、裄丈、股下、渡り幅、首回りとはかっていくのだが、カメラは安城の顔を写さない。安城の背中や手のアップ、足の間から美津子の顔だけが見える。もちろん美津子は安城に好感を抱いている。

このシークエンスで、おそらく問題になるのは、木の枝が風に揺れて葉叢がざわめくカットが挿入されていることだろう。もちろんこれは安城が殺された女房のことを思い出して復讐の念を新たにしているということだろうが、このカットがなくても安城の妻への思いは軽く握った拳にあらわれてはいないだろうか。それとも、風に揺れる枝のカットがなければ、安城の事務的ともいえる静かな復讐行為の奥にある激しい怒りはあらわせないような気もするし、ちょっと古臭い象徴的映像のような気もする。

男の友情をえがくのが映画だと勝手に思っているのだが、その意味ではこの映画は安城と吉岡組長の奇妙な友情を描いた正統的な映画である。そして美津子の採寸のシーンや、最後に安城が死んだ吉岡のオープンカーに乗って走り去るのはちょっとしたパロディになっているのかもしれない。

そうそう忘れていた。ニョウボが好きなシーンがもう一つあった。。吉岡組が誰かの息子に焼きをいれるシーンがあるのだが、レンガで顔をしっかり殴れない子分に、組長が「この(レンガの)角っこやれ」と指示するところが面白かったそうだ。

『トウキョウソナタ』黒沢清監督★★★☆の記事へ

2009.12.16[Wed] Post 23:18  CO:0  TB:0  映画  Top▲

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