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『犬塚勉展覧会』と『ジュリアン・オピー展』

二つの展覧会は産経ニュース(11/4)で知った。まず、『ジュリアン・オピー展』の記事から。

 ある女性の肖像作品を見ていると突然女性がまばたきをし、背景に鳥が飛んできては画面から消えていく。「ワー」などと、はしゃいでいる人もいる。何も知らずに見たらさぞかし驚くだろう。目の部分や背景の動きは、コンピューターでプログラムされて動くのだ。(渋沢和彦)

これでは縁日の見せ物と変わりがない。ヴェラスケス風にリアルな光沢がある衣裳とイラスト風に黒い輪郭線で描いた顔とのちぐはぐな感じが、一種の騙し絵のような効果があって面白いというのだろうが、フォトショップのフィルターを使えば簡単にできる。

『犬塚勉展』の方はアクリルで描いた写実的な風景画である。

自然を描くことに没頭した犬塚の作品は、単なる自然の模倣としての写実ではない。自然と精神の一体化によって得られた、草木の息遣いさえもとらえた絵画といえるだろう。(和)

展覧会のカタログ用の決まり文句以上のものではない。そんなら、単なる模倣でしかない写実とはなんだろう。写真のことか。写真だって精神的なものを表現することはできる。だからゲルハルト・リヒターは、表現への欲望を免れている「素人写真はセザンヌより美しい」と、逆説的な意味で、いったのだ。

高島野十郎の写実も同じようにたんなる写実ではないといわれたけれど、その写真のようなリアリズムが表現するものは、作品の側のものではなく作家側のものだ。それは絵画にあって写真にないもの、すなわち画家の優れた技法であり、そこから予想される画家の孤独な修練であり、そして結局は画家の宗教的内面ということになる。

高島野十郎は晩年写真のリアリズムから象徴主義へとかわっていった。浅倉祐一朗は没30年の『高島野十郎展』のカタログに寄せた文で、西田哲学の純粋経験を持ち出して、高島野十郎の宗教性について語っている。

高島の画は、風景画でもなく静物画でもなく、写実画でさえなく、宗教画と言わざるを得ないのである。しかしそれこそが、写実の真意であるのかもしれない。(カタログp30)

浅倉は目に見えるものを見えるとおりに再現するという絵画のリアリズムを、見えるものの背後にある実在(リアリティ)を直感するという画家の宗教的境地にしてしまった。そして、犬塚勉のリアリズムもまた画家の悟りになっていく。

「水がよく描けないから」と水を観察するために谷川連峰に行った。63年9月、愛する山で遭難し38歳の短い生涯を閉じた。展覧会には絶筆となった「暗 く深き渓谷の入口I」(63年)も出品されている。巨大な石の背後にある描きかけの小さな滝と川が画面の奥に消えていく。それが死を暗示するような気がし てならない。(和)

絵画批評はtableau critiqueであるべきだ。もちろん画家の発言や経歴が作品理解に資することはあるだろう。しかし、最終的には作品のみが批評の根拠だ。崇高というのはひとつの宗教性だが、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの崇高もバーネット・ニューマンの崇高も画家の内面ではなく作品の中にある。

PS:『日曜美術館』が『犬塚勉展』を取り上げたらしい。『絵とひぐらし』というブログにカンサンジュンさんの言葉がのっていた。「あ、テレビではカンサンジュンさんが『宇宙のカオス的』と表現なさっていました。」 カンさんは、どこまでもコメディアンなんだから。
2009.11.04[Wed] Post 23:10  CO:0  TB:0  美術展評  Top▲

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