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中村ケンゴ(1)

  日本×画展(中村ケンゴ)横浜美術館★★★★

 中村ケンゴの作品は、記号あるいは図像のレディメイドである。
中村ケンゴ


 「しょく発する6人」というサブタイトルで、
藤井雷、松井冬子、しりあがり寿、中村ケンゴ、小瀬村真美、中上清
 の6人を集めての展覧会である。

 この前の東京都現代美術館の『日本画から/日本画へ』より、展示がすっきりしていて、楽しめた。なかでも、中村ケンゴは、私が最近見た日本の現代美術では、一番面白かった。



*
 中村ケンゴはどこかで聞いたような名前だと、帰ってネットで検索してみると、山口裕美のサイトで読んだのだ。
 中村の展示室に入ると、正面の大きな壁に『TOKYO COMPOSITION』のシリーズが数十枚(カタログに12枚の図版がある)バラバラに展示してある。もちろんすぐにモンドリアンのパロディーだとわかるのだが、展示室の中に入ると、その一枚一枚の絵がワンルーム・マンションの見取り図になっているのだ。浴室や台所ばかりではなく、ベランダや窓も図面に描かれている。

 ワンルーム・マンションの見取り図を、家賃とか広さとか敷金礼金という物件情報を削除し、もとの文脈から外してやれば、美的対象になるのだから、一種のレディメイドといってよいだろう。ついでに赤黄青で分割面を塗り分ければ、モンドリアンの『コンポジション』のカラカイになり、大袈裟にいえば、モダニズムの批判になっている。
 
 このように、中村ケンゴの作品は、日常品のレディメイドではなく、記号/図像のレディメイドなのだ。記号や図像からその意味・目的を取り去ることで、美的対象にする。
 
 作品『Re:』はそんな記号(言葉)を取りだして、陳列したものだ。誰でも、携帯メールのタイトル欄にRe:Re:Re:Re:Re:と十も二十も並んだ経験があるだろう。それを見て、ずいぶんメールのやりとりをしたという感想もあるだろうが、むしろ、それが面白い模様に見えたにちがいない。
 『スピーチ・バルーンズ』のシリーズも、漫画の吹き出しを取りだしたものだ。吹き出しは、もともと漫画の登場人物の台詞を囲んでいるものだが、その台詞なしに吹き出しだけをとりだして、それでヌードや日の丸の模様にしている。吹き出しは誰の台詞か判るようにする役割なのだが、台詞を消して、それだけ取り出すとおもしろ模様や図形になる。
 その他にも『自分以外』のように漫画の群衆などの台詞のない登場人物を影絵にしてぎっしりと描いたものは、キャラクターが模様のように見えて楽しい。

 『Re:』や『SPEECH BALLOON』はただ情報の外枠だけやりとりして、肝心のメッセージの中身がない、空虚なコミュニケーションを表しているのかもしれない。しかし、わたしにはそんな批評性よりも、あまり有名ではないが誰でもしっている記号/図像を、実用的な文脈から取り出して、美的対象にしてみせる『COMPOSITION TOKYO』の中村ケンゴにただただ感嘆するばかりだ。

 中村ケンゴのサンプリングの手法は、図像のレディメイドと言えるのではないか。
 
 ただ、気がかりなのは、山口裕美もいっているように、これが外国人には面白くないのではと心配なことである。いくら説明されても、それが、そのひとの図像のストックの中になければ、見て楽しむことはできないだろう。
 もちろん外国人に判らなくてもいいのだが、ただ、そのことが、時代が変わり、われわれ日本人の図像のストックが変われば、中村の作品は日本人にも理解されないということにならないだろうか。

 この辺の現代美術の議論はわたしには今のところわからないので、いずれ考えたいと思います。 
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2006.08.04[Fri] Post 00:56  CO:0  TB:0  美術展評  Top▲

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