ART TOUCH 絵画と映画と小説と

もとは美術展評のブログ 絵画と映画と小説と、そして哲学を少々

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.--[--] Post --:--  CO:-  TB:-  スポンサー広告  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

TRACKBACK

スポンサーサイト のトラックバックアドレス
http://petapetahirahira.blog50.fc2.com/tb.php/593-5208d8bd
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

『ノルウェイの森』再読(3)

『ノルウェイの森』を読了した。

『ノルウェーの森』の第四章の出だしは、大学解体を叫んでいる同級生が単位をとるのに汲々としているのを軽蔑して、主人公のワタナベは授業に出ても出席の返事をしなかったというところから始まる。

つまらないことを自慢していると思ったら、なんと言うことだ、これはじつは手練手管だったのだ。ワタナベが授業のあと、レストランで昼食を食べていると、さっそく女の子が声をかけてきて、「ねえ、どうして今日授業で出席取ったとき返事しなかったの?」ときく。ワタナベが「今日はあまり返事したくなかったんだ」と答えると、女の子は、『今日はあまり返事したくなかったんだ』とワタナベの返事を繰り返し、「ねえ、あなたってなんだかハンフリー・ボガート見たいなしゃべり方するのね。クールでタフで」という。ちょっとどころか大いに笑える。女性を小馬鹿にしているような気もするけれど、まあ、どっちもどっちということか。

これがポルノなのか純愛物語なのかはさておいて、よくわからないことが二つある。ひとつはワタナベくんの童貞喪失のことにいっさいふれていないことだ。あれほど女性の中への射精にこだわる男が、たとえ愛していなくても初めての経験について何も語らないのは不思議である。

キズキが死んだ後、ワタナベはある女の子と仲良くなり半年のあいだ関係が続いたが、彼女は何も訴えてくるものがなかった。東京の大学に入学し、彼女と別れることになる。女の子は言う。

「あなたは私ともう寝ちゃったから、私のことなんかどうでもよくなっちゃったんでしょう?」と彼女は言って泣いた。
「そうじゃないよ」と僕は言った。僕はただその町を離れたかっただけなのだ。でも彼女は理解しなかった。そして我々は別れた。東京に向かう新幹線のなかで僕は彼女の良い部分や優れた部分を思い出し、自分がとてもひどいことをしてしまったんだと思って後悔したが、とりかえしはつかなかった。そして僕は彼女のことを忘れることにした。


女に紋切り型の愁嘆場を演じさせ、自分は自分で紋切り型の反省の台詞を言う。ワタナベくんは最初から性経験豊富な色男なのである。東京で永沢といっしょにナンパした女に対する邪険な態度もすでに立派な色男である。

こんな男を主人公にした小説を、なぜ女は夢中で読むのだろう。自分は直子や緑の側の人間だと思っているのだろうか。

もう一つ分からないことは、ワタナベが緑に手で手伝ってもらい、緑の下着に射精したことを、わざわざレイコに手紙で報せたのは何故かということ。もちろん深い意味はない。手練手管だ。

次回につづく。
2009.07.16[Thu] Post 01:10  CO:0  TB:0  村上春樹  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

TRACKBACK

『ノルウェイの森』再読(3) のトラックバックアドレス
http://petapetahirahira.blog50.fc2.com/tb.php/593-5208d8bd
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Log in*/RSS*】  Design 「AZ+」Plugin Template...  Page Top▲
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。