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『ハッシュ!』橋口亮輔

はじめに私の『ブロークバック・マウンテン』の記事を読んでください。

『ぐるりのこと』を見て、同じ監督のゲイの物語の『ハッシュ!』を借りてきた。冒頭から主題が示される。直也(高橋和也)が行きずりの男と自分のアパートで過ごし、朝、目を覚ます。男はすでに服を着て、冷蔵庫を勝手に開けている。直也がコーヒーをいれようかというけれど、男はいらないと言う。直也は男の携帯番号を聞こうとする。でも、男はデイパックを肩に掛けて出て行ってしまう。直也怒る。

今度は勝裕(田辺誠一)と町でちらっと目があって(これはちょっと定型w)、アパートで朝を迎える。寝ぼけた直也は幸せそうな顔をしながら、隣に寝ているはずの勝裕のほうに手を伸ばすけれどベッドは空である。勝裕はすでに起きていて、まだ下着のまま、やかんが火にかけてある。勝裕が「ごめん、勝手に使って」という。直也は自分でコーヒーを入れる。コーヒー・ドリッパーから湯気がたって、直也はコーヒーの香りに包まれて幸せそう。このあたりはホームドラマの幸せである。

ともかくゲイのカップルがセックスではなく、人との日常的な関係を望んでいるということでは、『ぐるりのこと』とおなじ愛のテーマである。ところが、勝裕は子供が欲しい。アメリカなら養子をもらうと言うことになるのだろうが、自分の子供が欲しければ、誰か女性に生んでもらわなければならない。

そこに勝裕の子供が欲しいという朝子(片岡)礼子)が現れる。子供だけ欲しければ、「シングル・マザー」になればいいのだが、朝子は勝裕の子だねだけではなく、彼との人間的なふれあいもほしいのだ。ここでセックスはできるけれど子供が産めないゲイカップルとセックスはできないけれど子供が産める男女の三人が、優しさとぬくもりと信頼の関係を作っていくというお話である。二人より三人の方が安定していると言えるが、この先どうなるかはわからない。

『ブロークバック・マウンテン』は、『マディソン郡の橋』にまけない凡庸なラブストーリーである。『ハッシュ!』も凡庸なゲイのホームドラマになる危険性はあった。しかし、橋口亮輔はゲイカップルに女を加えて三角関係にすることで、「ゲイにこそ真実の愛がある」的独りよがりを免れ、より普遍的な人間関係を描くことに成功している。

ただ、『ぐるりのこと』と比べると、つぐみ(永田エミ)や兄嫁(秋野暢子)や直也の母(冨士眞奈美)などの熱演が、勝裕直也朝子のかるみのある演技と対照になっており、どちらも『ぐるりのこと』のメタな二重の演技の域には達していない。

とはいっても、すばらしいシーンはある。朝子が勝裕の勤め先に傘を返しに行き、そこで、勝裕に彼の子供が欲しいという。そこにつぐみがやってくる。すると朝子は勝裕に抱いてくれといって遠慮がちに背中に手を回す。もちろんつぐみに見せて、勝裕をあきらめさせるためだ。勝裕もその芝居に答える。しかし、朝子は次第に強く勝裕の胸にしがみつく。勝裕も朝子の気持ちを理解して、朝子をつよく抱きしめる。

二人は恋人同士の抱擁を演じているつもりだ。ところが朝子は突然失神する。観客はその唐突さに驚く。そして、朝子は恋人を演じていたつもりだけれど、ほんとうは誰かに強く抱きしめてもらいたかったのだ。演技ではなく本当の抱擁だったのだ。朝子はタクシー運転手の父親に会いに行くシーンがあった。これまで誰にも抱きしめられたことがないとも告白している。

この突然のラブシーンはアルモドバルを超えている。
2009.06.19[Fri] Post 16:40  CO:0  TB:0  映画  Top▲

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