ART TOUCH 絵画と映画と小説と

もとは美術展評のブログ 絵画と映画と小説と、そして哲学を少々

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.--[--] Post --:--  CO:-  TB:-  スポンサー広告  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

TRACKBACK

スポンサーサイト のトラックバックアドレス
http://petapetahirahira.blog50.fc2.com/tb.php/501-a9cd5623
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

村上春樹 エルサレム賞授賞式スピーチ(1)(改題再掲)

「エルサレム」を「イェサレム」と書いたためGoogleに検索されなくなったので、もう一度訂正して掲載します。
*     *     *
日本の新聞は、ほとんどが村上春樹がイスラエルのガザ攻撃を非難したと伝えているが、スピーチのスクリプトを読む限り村上氏はイスラエルを一方的に非難したわけではない。今回のことで重要なことは村上が受賞したことではなく、彼が授賞式に出席したことである。
まずはじめに、Palestine Forum Japanの公開状から引用。

If you receive the “Jerusalem Prize” it will contribute to a false image of Israel respecting “individuals’ freedom in society” which will be portrayed and spread by the media. (Don’t legitimize apartheid)

大江健三郎ならたぶん受賞拒否しただろう。次に、ガーディアン紙の見出し。

Murakami defies protests to accept Jerusalem prize

defyはかなり強い意味だろうそれに対してAFPのニュース

【2月16日 AFP】(写真追加)作家の村上春樹さん(60)が15日、イスラエル最高の文学賞「エルサレム賞」の授賞式で記念講演し、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への攻撃を批判し、「欠席して何も言わないよりも、ここへ来て話すことを選んだ」と述べた。

これでは、村上がイスラエルのガザ攻撃を批判するためにエルサレムに来たみたいだ。 ほとんど捏造だ。たしかに、村上春樹はスピーチで言っている。

Any number of times after receiving notice of the award, I asked myself whether traveling to Israel at a time like this and accepting a literary prize was the proper thing to do, whether this would create the impression that I supported one side in the conflict, that I endorsed the policies of a nation that chose to unleash its overwhelming military power. Neither, of course, do I wish to see my books subjected to a boycott. (強調安積)

これはイスラエルのガザ攻撃を批判しているのではなく、自問自答しているのだ。本当にパレスティナ側の言うようになってしまうのかと。そう思われるのはいやだし、小説がボイコットされるのもいやだ。(この自分勝手なところは伏線になっている)

それでも授賞式に出席したのは、みんなが行くな行くなと言ったからで、小説家は天邪鬼であり、自分の目で見、手で触れるものしか信じない。しかし、そうすることは、ガザを圧倒的な軍事力で攻撃するイスラエル側に立つという印象を与え、自分の本がボイコットされるかもしれない危険をあえて冒すことでもある。

そして村上は壁と卵の比喩を述べる。

“Between a high, solid wall and an egg that breaks against it, I will always stand on the side of the egg.” 

村上はこの比喩の意味を二つあげている。ひとつは大江健三郎風解釈で、壁はイスラエルであり、卵はガザの住民だ。しかし、村上はもう一つの深い意味があるという。われわれみんなが脆い卵であり、それぞれにシステムという壁が立ちはだかっているというのだ。ここでも村上はガザとイスラエルの争いではなく、われわれの心のなかにある卵と壁について語るのだ。

そのあと村上は90歳で死んだ父が、毎日、戦争で死んだ味方だけではなく敵のためにもお経をあげていたこと、そして、その父の記憶は消えてしまったけれども、自分の心には父の記憶が生き続けていると言う。もちろんこれは一神教のイスラム教やユダヤ教にたいして、より寛容な仏教のこころを伝えたかったのだろう。

そんなことはともかく村上は文学を擁護する側にはっきりと立ち、イスラエルに感謝する。スピーチの最後の部分。

I am grateful to have been awarded the Jerusalem Prize. I am grateful that my books are being read by people in many parts of the world. And I would like to express my gratitude to the readers in Israel. You are the biggest reason why I am here. And I hope we are sharing something, something very meaningful. And I am glad to have had the opportunity to speak to you here today. Thank you very much  (強調安積)

日本人がこんなすばらしいスピーチができるなんて感動的ではないか。それにしても大江健三郎のノーベル賞授賞式のみすぼらしいスピーチを思い出す。村上は『悪魔の詩』にもふれず、自分の作品がアラビア語に翻訳されていないことにもふれず、ただ自分の作品を読んでくれる人たちに感謝する。

村上春樹は『羊をめぐる冒険』を夢中で読んだけれど、あとはほとんど途中でやめてしまった。最近はほとんど読まない。よまないのは「濡れ場」を読むと気持ち悪くなるからだ。あんな不気味なポルノはない。でも、もういちど挑戦してみることにする。

2009.03.30[Mon] Post 21:56  CO:0  TB:0  村上春樹  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

TRACKBACK

村上春樹 エルサレム賞授賞式スピーチ(1)(改題再掲) のトラックバックアドレス
http://petapetahirahira.blog50.fc2.com/tb.php/501-a9cd5623
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Log in*/RSS*】  Design 「AZ+」Plugin Template...  Page Top▲
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。