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『クェーサーの謎』谷口義明:主系列銀河論

図書館の新入荷のコーナーから借りてきた。ホルトン・アープの発見をどう扱っているか関心があったからだ。

最初にクェーサーの電波を発見したのは、天文学者ではなく、レーダー通信技師だったというのは、発明発見物語の定番だ。電波技師にはわからなかったが、天文宇者には電波源が天の川銀河の中心方向だとすぐに判った。

その後、電波源の探査が行われたが、可視光線とちがい電波の角分解能が悪いため正確な位置決定ができなかった。ところが、ケンブリッジ大学が出した電波源のカタログの[3C 273]が、月の通り道の白道の中にあり、1962年8月5日に月による掩蔽現象が起きた。それを利用して1秒角以下の精度で電波源の正確な位置が測定された。

詳しいことは省略するが、その方向を写した天体写真を調べると星のような天体があり、その星の可視光帯のスペクトルを調べると強い赤方偏移した輝線が発見された。赤方偏移はドップラー効果の影響と考えられていたので、ハッブルの法則により 「3C 273」が遠方の宇宙にあることが判った。

とういわけで、クェーサーは遠くにあるのに明るいのは、太陽一兆個の強い光を発しているからであり、そのためには超大質量が必要になる。また、遠くにあるということはビッグバンの初期に形成された天体だということだ。

さらに、中心核がクエーサーと似た活動をしている銀河が近傍に発見された。観測の精度があがり、恒星のように見えたクエーサーもどうやら銀河らしいこともわかってきた。そこから活動銀河の考えがうまれ、クェーサー、セイファート、ライナーなどが分類され、銀河の形成と進化の過程を論じることが可能になった。最近では原始星とおなじように原始銀河の考えも生まれたようだ。

これは小尾信弥の主系列星の話を思い出すけれど、谷口義明氏の方はドップラー赤方偏移を前提にしているので、どうもつじつまがあわなくなる。クェーサーが発見されるまでの話は、原田三夫的ワールドでワクワクするが、超大質量ブラックホールが出てくるあたりから話が怪しくなる。

ホルトン・アープは徹底的に無視されているのだが(科学の世界も多数決らしい)、ただ、アープ220がウルトラ赤外線の例として言及されている。これは二つの銀河が合体しているというのだが、そこからクェーサーが生まれる可能性があるけれど、たぶん二つでは少ない。近傍には銀河群があるから、それらが多重合体すればクエーサーが誕生する可能性はある。よく調べるとアープ220の東西の中心核に赤外線源がそれぞれ二つずつあり、合計四つの銀河が多重合体してできたものだ。そこから超大質量ブラックホールが生まれる可能性はある。いや、ない。いや、ある。いったいどっちなんだ。ハッキリしてほしい。

ようするに、まちがった赤方偏移の解釈のために、クェーサーが遠方の宇宙にあるとおもい、明るさから中心核に超大質量ブラックホールを仮定したために、近傍の通常の質量の銀河からクエーサーが生まれることが説明できなくなったのだ。

もし、近傍の銀河が合体してクエーサーが生まれたら、そのクエーサーの赤方偏移は当然大きくなるはずだ。そうなったらどうするのだ。アープ220は2億5千万光年の距離から突然100億光年ところにワープするのか。この疑問に答えてくれないかぎり、谷口氏の理論は成立しない。もちろん谷口氏は自分の誤りに気づいていることは、第六章『クェーサーの謎解き』を読めばわかる。

谷口氏はコラム『超大質量ブラックホールの動かぬ証拠』のなかで、セイファート銀河〔MCG-6-30-15〕に重力赤方偏移がある(名古屋大学チーム)といっている。しかし、なぜ本文からはずしてコラムにしたのだろう。もちろん重力赤方偏移の存在は谷口氏の「主系列銀河論」を補強するものだが、異端になるのをおそれからコラムにしたと思われる。

はじめは、クェーサーは太陽一兆個分の明るさだとか、銀河百個分の質量とか言っていたのが、主系列銀河の発見で、クェーサーのエネルギーは核エネルギーではなくブラックホールの重力エネルギーらしいということになった。そうなれば、クエーサーの赤方偏移はドップラー効果よりも重力の影響が大きいと予想される。重力赤方偏移ならアープの観測とも、谷口氏の「主系列銀河論」とも矛盾しなくなるではないか。

(主系列星や主系列銀河があるように、ビッグバンや膨張収縮を許容する主系列宇宙というものも存在しうるだろう)

わたしは子供の頃、ヴェーゲナーの「大陸移動説」を原田三夫の本で読んで、それが古生物学や地質学上の間接証拠しかないことを残念に思っていた。そして大人になって、長い間プレートテクトニクスのことを知らないままでいた。それを知ったのは『ニュートン』でプルームテクトニクスの特集号を読んだときだ。それが残念でならない。だから、こんどは赤方偏移はドップラー効果だけで生じるのではないことが認められ、ホルトン・アープが名誉回復されるのを確かめてから死にたいと思っている。

『宇宙論入門』佐藤勝彦の記事へ

読み終わって、どうも変だと思って奥付を見たら、2004年の発行だった。図書館の入荷の印も2004年なので、司書がまちがって新入荷のコーナーに戻したのだろう。

2009.02.28[Sat] Post 01:22  CO:0  TB:0    Top▲

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