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『ウィレム・デ・クーニング』(2)

『ウィレム・デ・クーニング』(1)からつづく

Homeless Representation
(帰する場所なき再現性)について誤解していたところがあったので、訂正しておく。

デ・クーニングの1950年から1952年にかけて描いた《女Ⅰ》は再現的な作品であり、私が見た《無題(女)》は60年代に描かれたもので、ほとんど再現性がない抽象画である。グリーンバーグが「帰する場所なき再現性」というのは、それまで抽象画を描いていたデ・クーニングが、再現的な《女》シリーズを描きはじめ、再び50年代後半に抽象的な絵画に戻っていった時期の中途半端な再現性のことをいっている。


66~67年に描かれたこの《無題(女)》は、まったくの抽象画にしかみえなかったが、そういわれてみると、黒い千切れちぎれの線で囲まれた白い色面が〈女〉に見えなくはない。そこのところが、この絵がアクションペインティングではなく、何かを描いているような、凝集と開放の感覚を生んでいるところと言える。もちろん、そうであるならば、この絵にも「帰する場所なき再現性」があるということになる。

「帰する場所なき再現性」は良くも悪くもないし、おそらく抽象表現主義の最良の成果のいくつかは、早くから再現性と戯れることによってえられたものであるが、ただ、50年代半ばのデ・クーニングは、それが硬化しマンネリズムに陥ってしまっていると、グリーンバーグは批判する。この悪しき帰する場所なき再現性は、デ・クーニングばかりではなく、彼に影響を受けたガストンやクラインにも見られるという。

グリーンバーグは造形的幾何学的な線的抽象ではなく、開放的な絵画的抽象を、また遠近法による「歩いて入れる」ような空間のイリュージョンではなく、ペインタリーな手法による浅い空間のイリュージョンを好んだことは知られている。その浅い空間のイリュージョンを得るために、それまで抽象画を描いていたデ・クーニングが《女Ⅰ》を描く。より解放された「絵画性(ペインタリネス)」を得るために具象性を利用したのだ。

マチスやピカソには再現性があったが、デ・クーニングたち、アメリカの画家には抽象的なものと受け取られていたという。また、当時の抽象画はキュービスムに影響を受けた「閉じられた線的抽象画」であったので、絵画的なマチスやピカソの「女」に戻って抽象画を考え直すのは当然のことだった。

絵画に具体的な対象があろうがなかろうが絵画の価値と関係ない。これは、音楽に歌詞があろうがなかろうが音楽の価値と関係がないのと同じことだと、グリーンバーグ("ART and CULTURE")は言うのだが、果たしてそうか。日本の現代絵画にも「再現性と戯れる」ような、抽象と具象の折衷画を見受ける。悪しき「帰する場所なき再現性」とはなにか。もういちど、デ・クーニングの《女Ⅰ》と《無題(女)》にもどって、抽象画と具象画の問題を考えなおしてみよう。

もちろん「絵画の三層構造」の問題とも深く関わってくる。

注:引用等は『グリーンバーグ批評選集』(藤枝晃雄編訳)による。

つづく

2008.12.20[Sat] Post 00:13  CO:0  TB:0  -グリーンバーグ  Top▲

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