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『日本人はなぜ謝りつづけるのか』中尾和代

第二次世界大戦中の日本軍による英国捕虜虐待問題を、15年にわたり英国の元捕虜にたいする聞き取り調査で明らかにしようとする。そして、なぜ日英の戦後和解が失敗したのか、その理由をつづっている。

オーラルヒストリーと言えば、南京虐殺や従軍慰安婦を思い出すが、著者は反日家ではない。英国の元捕虜たちも、中国人や韓国人のように理不尽なところもなく、日本人の名誉も尊重しようとしているように思われる。だからこそ、彼らは天皇に謝罪を求めているのだ。

私にとって最初のイギリスは、生麦事件だった。子供ころ、毎年夏になると町内会で江ノ島に海水浴にいったのだが、そのときバスのガイドは吉田茂のワンマン道路の話と生麦事件の話を必ずしたから、よく覚えている。もちろんチャンバラ映画のファンだったので、無礼討ちは当然と思った。

もちろん会田雄次の『アーロン収容所』がわたしのイギリス人観に大きな影響を与えた。そして、昭和天皇が訪欧したときに、たまたまロンドンに滞在していたけれど、朝寝をしてパレードを見損なったので、沿道のイギリス人の反応は直接見ていない。でも、新聞には連日「HIROHITO」の文字が躍っていたし、マウントバッテン卿が晩餐会にでないということで喝采を浴びていた。それよりも、同じ家に間借りしていたイギリス人が、「天皇が植樹した苗木を引っこ抜いた男が警察に捕まったけれど、すぐに放免された」とひどくうれしそうに笑ったことが気分を害した。それまで、口をもごもごさせて陰鬱な顔をしている昭和天皇に好感を持てなかったが、このことがあっていらい、わたしは昭和天皇の支持者である。

そのイギリス人は日本人と結婚していたのだが、狡いところがあって、配達してもらう牛乳があまるので、割り勘にしようと提案され、そうすることにした。ところが、イギリスの牛乳はホモナイズされていないので、上のほうに脂肪分が浮いて、下は薄くなる。もちろん浮いた濃いところで紅茶を入れれば美味しい。かれらは教師だったので朝が早い。そのため長い間、そのことにきづかなかったけれど、あるとき、彼らが留守にしたことがあって、事情を理解した。イギリスの牛乳はホモナイズしてないのか、最初のところで紅茶をいれると美味しいねと遠回しにいうと、イギリス人は少しあわてて紅茶の入れ方の蘊蓄を述べてから、今度から浮いた濃いところは交替に使おうといった。

アーネスト・サトウの日記を読めば、英国の日本人に対する人種偏見の少ないことがわかるし、生麦事件の処理のために起きた薩英戦争によって、イギリスはそれまで抱いていた日本の植民地化をあきらめたし、薩摩は攘夷をやめ、英国と協力関係を結び、結果的には英国のおかげで明治維新すなわち日本の近代化が成功したといえる。

日本とイギリスの関係は、生麦事件の斬殺に始まって捕虜収容所の虐待に終わっている。彼らの言い分はもっともだと思える。そして中国や韓国のように政権による組織されたものでもないとすれば、なぜ、天皇は謝罪しないのだろう。イギリスは敵の名誉を尊重する国だ。国益をそこなわないような謝罪の仕方はあっただろうに。そのための天皇ではないか。

国益とはもちろん日本の名誉を守ることだ。とすれば、この問題は、白人の植民地支配と大東亜共栄圏の枠組みの中で考えなければならない問題だ。そして、その根本には人種差別の問題があったことを忘れてはいけない。

この本は、わたしの『アーロン収容所』的イギリス人観をまったく変えてくれた。ジャーナリストではないので、まとめ方が下手で読みにくい本だが、韓国や中国の反日運動にへきえきしている人は是非読んでくさい。
2008.12.01[Mon] Post 22:28  CO:0  TB:0    Top▲

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