J-CASTテレビウォッチによると、「朝ズバッ」で以下のようなやりとりがあったらしい。
みのが「それにしても何故、次々と不正転売を……」に、番組に生出演した元農水省勤務の森島賢・立正大名誉教授が「過当競争ですよ」と次のように解説した。
「以前は、米を売る場合は農水省の許可が必要だった。それが(小泉改革の)規制緩和で許可がいらなくなり、届け出さえすれば販売できるようになり、業者がものすごく増えて過当競争になった」
毎日新聞論説委員の与良正男も「小泉改革の『影』の部分ですよ。規制緩和は……。何社も何社もブローカーを重ねるたびに、それぞれが利ザヤを稼いでいる。最後はまあまあの値段で偽装米を買わされる。とんでもないですよ」と、怒り心頭だ。
こんな経済学の初歩も知らない輩がテレビに出てきてしゃべるということは、官と学とマスコミがつるんでいることの証拠だろう。米の完全自由化すればこんな構造的な腐敗はなくなる。中途半端だからこうなったのだ。
戦後の闇米はもちろん食管制度のせいだが、はじめはそんな構造的なものではなかった。わたしの実家は国電の駅のそばにあって、ホームが土手の真下に見えたのだが、たまに闇米の手入れがある。すると闇米屋がホームから線路づたいに逃げるのだ。しかも裏の家が闇米屋担ぎ屋で、そんなときは大騒ぎで、一斗缶に入れた米を我が家が隠してやったこともある。
闇経済は統制経済下で生じる経済合理的な行動だ。最初のうちは個人営業だが、そのうち当然組織的になり、裏と表が一つになっていまのような汚染米を利用したコメ・マフィアができあがる。これはパチンコの景品買いでも同じだ。換金のためにたばこが使われていたころは、暴力団ばかりではなく、個人も景品買いをしていた。実家の店には景品買いが出入りしていた。というのも彼は警察と暴力団の両方に追っかけられていて、あぶないときは、母がたばこを店で預かってやっていたからだ。しかし、そのうちこの男は暴力団に暴行をうけ、いつのまにか町から消えてしまった。
ともかく、いろいろ紆余曲折があったが、現在のパチンコの換金システムは当時の専売品だったたばこの替わりにカミソリの刃とかライターの石(今はどうなっているか知らない)など使った表と裏のなかば合法的なシステムになり、警察が天下っているのだ。だから、闇経済というのは暴力という非合法の規制(掟)だけではなく、法律による合法的な規制でも生まれるのだ。(たばこは収容所などでは代用貨幣として使われた)
どちらにしろコメ流通の規制緩和がはじまったの小泉内閣以前のことだ。何でもかんでも小泉改革に結びつけるのはやめにしよう。闇米・黄変米・古米・古々米・汚染米などすべては規制の結果なのだ。それから、近頃、役人たちが食糧自給率39%と国民の不安をあおっているのも利権のためだということを忘れてはいけない。