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『徹底抗戦!文士の森』 笙野頼子

純文学論争というのが戦後何回かあった。社会主義リアリズムと私小説の間の論争があり、60年代は、純文学にたいして中間小説や大衆小説を対置させた論争だった。また、70年代のフォニー論争は、江藤淳が純文学もどきのエセ文学を批判するものだった。サブカルチャーという言葉も使われた。どちらにしろ、そこには純文学というものにたいする了解はあった。

しかし、最近あった純文学論争というのは、ポストモダン風と言ったらいいのか、ジャンルの等価性を主張するだけではなく、むしろ純文学を否定し、漫画を含めたサブカルチャーを支持するものだ。この論争は売れない純文学には商品価値はないという大塚英志と、純文学の芸術的価値を擁護する笙野頼子とのあいだで争われた。笙野頼子の論争をあつめた『徹底抗戦!文士の森』を読むと、美術界と共通するような文壇文芸界の問題が浮かびあがってくる。

大塚氏が「不良債権としての『文学』」の中でまとめている笙野氏の主張は、
 
・素人が文学にあらゆる意味で口を出すな。
・文学の基準として「売り上げ」を持ち出すな。

の二点なのだが、たしかにこんな風なことも言ってはいるが、どうもこれでは笙野氏の大塚氏にたいする怒りは理解できない。私が『徹底抗戦!文士の森』読んだところでは、笙野氏の怒りは次の三点にある。

・大塚氏は文芸誌を否定しておきながら、文芸誌に連載を持っているのは偽善だ。また、「群像」の編集者は、笙野のゲラ刷りを大塚に見せ、同じ号に大塚の反論を載せ、しかも「群像」を擁護した笙野を切り、大塚を重用した。
・「売り上げ売り方文学論」はくだらない。大塚氏は不良債権としての純文学を批判しながら、江藤淳など持ち出して純文学に擦り寄りながら、自分のエロ雑誌編集者として経歴を隠そうとしている立身出世主義者である。
・純文学批判の背後には性差別がある(?) (前半部では、笙野氏はフェミニストの戦法を使っていないようなのだが、突然のフェミニストぶりには呆気にとられる。松井冬子の「売り方」と似ている。8/13追加)

以上、わたしが勝手にまとめただけなのだが、ともかく笙野氏はあくまで文学的に大塚氏を攻撃する。最初はどうなるかと思って読み始めたのだが、以外と面白くて前半は一気に読んでしまった。大塚批判からはじまり、「文学は終わった」と言っているらしい柄谷行人を図式的な西哲ライターと罵り、文学と「症候」を間違っている奴だと斎藤環を批判したりするあたりまでは、納得なのだが、そのあとのフェミニスト的な主張になるとちょっと首をかしげざるをえない。

小谷真理氏は売り上げの多いサブカルチャー作品を論じている大塚氏と似たりよったりの評論家ではないか。フェミニストだとかアメリカの業界をよく知っているとかいうが、ようするに、売り方文学論の評論家だろうに、自分を褒めてくれるからという理由で、純文学のことなど忘れて、小谷氏を持ち上げるというのは、読んでいて気味が悪いや。

まあ、こういう偏見思いこみは、小説家としては必ずしも欠点ではないし、じっさいこの論争の書『徹底抗戦!文士の森』は、すくなくとも前半部は、大塚英志のニセモノぶりをからかって、一読の価値は十分にある。

彼女の小説作品はまだ読んでいない。暇ができたら、読んでみるつもりだ。
 






2008.08.11[Mon] Post 22:29  CO:0  TB:0    Top▲

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