ART TOUCH 絵画と映画と小説と

もとは美術展評のブログ 絵画と映画と小説と、そして哲学を少々

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.--[--] Post --:--  CO:-  TB:-  スポンサー広告  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

TRACKBACK

スポンサーサイト のトラックバックアドレス
http://petapetahirahira.blog50.fc2.com/tb.php/294-6186ab54
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

『だいたいで、いいじゃない。』 大塚英志/吉本隆明

サブカルチャーと経済学

いつも古い本ばかり取り上げているが、図書館で借りてきた本が多いのでしかたない。この本はもともと大塚英志のサブカルチャー論を知りたかったから借りてきたものだ。

『エヴァンゲリオン』はみんな大騒ぎしているので、ゲオでDVDを借りてきて見たが、下ネタばかりで、三枚目で我慢できなくなって、見るのやめた。大塚英志も母胎回帰だとか身体の記号化だとか、なんか精神分析もどきのもっともらしいことを言っているが、わたしには、凡庸なアニメにしか思えなかった。むかし、鉄腕アトムのアニメを見てちっとも面白くないので、漫画版の鉄腕アトムとなんども比べてみたことがある。漫画は吹き出しの文字とコマ割りのリズムを自由に行き来できるところが面白く、アニメの吹き替えや動きの嘘くさいリアリズムより、断然面白い。

だから吉本隆明について述べる。吉本はわたしが学生の頃は既成左翼に対抗するカリスマ的な存在だった。『言語にとって美とは何か』を読んだけれど、よく分からなかった。言葉は海を見て「う!」と唸ることだみたいなことが書いてあったけれど、そのころソシュールの『一般言語学講義』を読んで、言語の恣意性のことをしっていたので、吉本の自然的意味を認めるような言語論はあやしげなものにしかみえなかった。それ以後は文庫になった対談本などをときどき買って読んだが、吉本が何者なのかちっともわからなかった。たぶん政治的党派性があれば、おもしろいのだろうが、ノンポリのわたしには吉本のおもしろさは理解できなかった。

この本の「はじめに」のなかで吉本が経済学について述べている箇所がある。「一労働時間における労働価値(量)はすべて同一とみなしうるということだ。だから、労働価値は『時間』だけに還元される。」 吉本は集合的な労働者に当てはまるといっているのだが、これは古くさい階級闘争史観であって、経済学的には全くのナンセンスなのだ。吉本はこの疎外論搾取論なき労働価値説によって純文学と大衆文学の重層性、あるいは等価性を説明しようとしているらしいのだが、とてもその神秘的な思考の流れをたどることはできない。

賃金はもちろん労働市場で決定されるのだが、そこでは労働は同一ではなく、商品とおなじように差異によって成り立っている。というわけで、吉本は言語学でも経済学でも全くの無意味ではないが、ほぼナンセンスなことをいって、知的スノッブをケムにまいていたのだろう。そういう意味では、この本は、わたしと同じ世代で、学生時代に吉本を読んだけれど、ちっとも解らなくてコンプレックスを持っており、『少年マガジン』が好きだったけれど、『エヴァンゲリオン』がなぜ面白いのか解らなくて悩んでいる、はぐれ団塊世代は、是非この本を読んでください。なあーんだ、そうだったのかと、目から鱗が落ちます。
2008.08.04[Mon] Post 00:02  CO:0  TB:0    Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

TRACKBACK

『だいたいで、いいじゃない。』 大塚英志/吉本隆明 のトラックバックアドレス
http://petapetahirahira.blog50.fc2.com/tb.php/294-6186ab54
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Log in*/RSS*】  Design 「AZ+」Plugin Template...  Page Top▲
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。