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『アメリカの鏡・日本』 ヘレン・ミアーズ 伊藤延司訳

東条英機vs丸山真男

 この本を読んで、林房雄の『大東亜戦争肯定論』を思い出した。ミアーズは大東亜戦争を、林と同じように、ペリー来航以来の100年戦争として考察している。ただ、ミアーズは大東亜戦争を聖戦とは言っていない。日本の侵略はアメリカの真似をしたのであり、もしこの戦争で悪をおかしたとするなら、それは日本というよりも、日本が模範としたアメリカのほうだと言っている。

『大東亜戦争肯定論』と同じ64年に丸山真男の『現代政治の思想と行動』の増補版がでた。当時の大学のキャンパスでは丸山真男は神様のようでもあり、丸山の社会心理学的分析による矮小なファシストという軍部批判にはおかしなものを感じながらも、林房雄の大東亜戦争肯定論が説得力を持つとはとても思えなかった。

丸山真男の批判が的はずれなことは、小林正樹監督のドキュメンタリー映画『東京裁判』の東条英機を見れば判る。東条英機は裁判を認めていなかったけれど、天皇を守ろうとし、敗戦の責任をとって死刑を受け入れたのだ。法廷で矮小なのはむしろ裁く側の判事、なかでも裁判長のオーストラリア人だったことは、左翼の小林正樹が編集したにもかかわらず、この記録フィルムを見れば明らかだ。

丸山は大東亜戦争を批判しているのではなく、戦争指導者の人格を論じている。それも西欧の政治思想を聞きかじっただけの的はずれなものだ。丸山は当時の権力者のマッカーサーの意向にそうように振るまったということであり、彼の反・反共主義も占領政策の方針に違わぬように巧みに計算されたものなのだ。

丸山真男の軍部批判には歴史的視点がない。そのことは、林房雄の『大東亜戦争肯定論』を読んだときには気づかなかった。林の肯定論は転向右翼の郷愁だろうと思って無視した。しかし、『アメリカの鏡・日本』を読んで、丸山の学者としての無能不誠実、いやそれ以上に人間としての矮小さがはっきりとわかった。アメリカ人のヘレン・ミアーズは、まだ米軍占領中に、日本よりアメリカのほうが軍国主義的侵略的ファシズム的であり、日本はペリー来航以来そのアメリカの真似をしてきたのだと述べている。

重要なことは、ヘレン・ミアーズの主張が正しいかどうかではなく、戦後の検閲と反軍部プロパガンダのなかで、このような主張がアメリカ人によってなされていたということだ。丸山はそういう状況のなかで、歴史を意図的に捨象し、戦争を軍部の戦略戦術に還元して、しかも、軍事裁判での法的な無罪の主張を、責任回避という道徳的な問題にすり替え、その精神構造とやらをニュールンベルク裁判の被告たちと比較しながら、疑似学問の粗雑な類型学で分析して見せたのだ。

なんどもいうが、小林正樹監督の『東京裁判』に映し出された東条英機は卑怯でもないし、矮小でもない。まして責任を回避しようとはしていない。それなのになぜ丸山はまるで反対の結論に達したのだろう。丸山は東京裁判の記録を読んだのだろうか。あるいは裁判の記録フィルムを見たのだろうか。そんなことはいまさらどうでもよい。確かなことは矮小で卑しいのは東条英機ではなく、丸山真男の方だったということだ。

『現代政治の思想と行動』を読んだときに感じた「イヤーな感じ」が四十数年後のいまヘレンミアーズのおかげで、完全に消えてなくなった。と思う。それにしても、図書館に行くと丸山本がたくさん並んでいるけれど、丸山真男ルネサンスなのだろうか。ネットを検索すると、丸山崇拝者がたくさんいるようだが、どうしてあんな空虚で無内容の丸山をもてはやすのか理解に苦しむ。ウスラサヨクの理論武装なのだろうか、そういえば丸山は、ウスラの元祖なのかもしれない。

 


2008.07.19[Sat] Post 23:08  CO:0  TB:0    Top▲

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