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『ウィキペディアで何が起こっているか』

     山本まさき/古田雄介

ネットについてネットを調べて書いた本だ。内容もプライバシーや名誉毀損や著作権という、印刷物でも同じように生じる法律上の問題が中心で、著者のネットにかんする独自の視点はとくにない。

Wikipediaは本の百科事典と比べても信頼性に遜色がないというが、Wikiの信頼性を調べるなら百科事典にのっていない項目をしらべる必要があるだろう。Wikiと比べるべきなのは、百科事典ではなく、新聞やテレビ、あるいは、同じネットの掲示板やブログではないか。

新聞は編集権が確立されているけれど、Wikipediaより信頼性が高いとは言えない。なかんずく社説や投書欄はおそらく掲示板やブログよりも「嘘」が多い。このことで思い出すのはホリエモン騒動のとき、堀江氏が「新聞記者なんかいらない。誰でもが市民記者になって記事をウェブ・サイトに書けばいい。編集はアクセス数の多い少ないで決めればいい」と言うようなことを言っていたが、どうやら古いマスコミ人には堀江氏の言うことが理解できなかったようだ。

いちばん笑えたのは、新聞記者出身のコメンテイターが、「真実かどうかチェックしなければいけない」と言っていたことだ。そのチェックが新聞のおかしな報道の原因だろうに。このことは、投書欄と2ちゃんねるを比べれば判る。2ちゃんねるはチェックがないから、いろんな意見が書き込まれるが、投書欄は編集部がチェックするから、社説の口まねみたいな意見ばかり掲載される。投書するほうも投書欄に掲載されるようなことを書いて送る。そういうわけで、投書は、記事や社説と同じような偏向したものになる。

そういうわけで信頼性の点でどちらが優れているかいちがいに言えない。重要なのは、どちらが信頼性があるかではなく、どちらが信頼性があると思われているかだ。もちろん信頼性があると思われているのは新聞のほうで、新聞を鵜呑みにするひとは多いが、デタラメ満載の2ちゃんねるをそのまま信じるひとはいない。人は2ちゃんねるを疑ってかかる。だから、投書欄よりも信頼できるともいえるのだ。

Wikipedia はだれでも編集できる。編集した記録も残る。その意味では投書欄よりも掲示板にちかい。ただ掲示板と違うことは、客観性や公平さを目指していることだ。そのための細かなルールがあるが、客観性を目指せばとうぜん編集合戦になる。何しろ2ちゃんるとは違って、他の人が書いたものを勝手に書き換えることができるからだ。これはたとえば右翼と左翼の対立としてあらわれ、収拾がつかなくなり、編集ができなくなる。Wikipediaにはその残骸がたくさんある。

これからWikipediaがどうなるかはわからない。われわれは現在のところ、何かを調べるとき直接Wikipeidiaにあたることはない。たいていは検索エンジンを使って調べる。そうすると、そこにはブログや2ちゃんねる(掲示板)やWikiやHPやyoutubeそしてネット新聞が現れるから、そこから適宜選び、比較しながら読むのだ。

そういう競争の中でWikipediaがどうなるかはわからないが、わたしは今のままでは成功しないと思う。左翼右翼の編集合戦はともかく、わたしが利用する美術のことに限って言えば、Wikipediaは全くやくにたたない。英語版は教科書的なことが書いてあるので辞典的な使い方なら役に立たないこともないが、日本語版は何の役にもたたない。そういうことでは、いちばん役に立つのは2ちゃんねるだ。いろんな意見がでるが、しだいに至極まっとうな意見に収束するように思える。そのかわりひどくノイズが多くて、読むのにくろうする。スレ全部読んでも何も無いということがほとんどだ。2ちゃんねるが駄目になるのは誹謗中傷ではなくノイズが多いため、だれも面倒くさくて読まなくなることだ。便所の落書きは、書く方は自己満足するらしいが、読む方は苦痛だ。こんな2ちゃんねるがつづいているのは、たぶんつぶれない程度に内容があるからだ。

名誉毀損は何も2ちゃんねるの独占ではない。新聞も捏造中傷をする。違うのは、2ちゃんねるは私人の名誉毀損プライバシー侵害をすることだ。これは何とかしなければならない。しかし、2ちゃんねるは新聞の書かない公人のスキャンダルも書くのだ。だから、2ちゃんねるを一つのものとして論じるわけにはいかない。

2ちゃんねるの問題は匿名の問題ではなく、編集権の問題かもしれない。2ちゃんねるは編集権を放棄している。ところが、Wikipediaは、いろいろのルールはあるが、最終的に閉鎖や削除する編集権をWikipediaが持っている。そのため編集合戦ではなく、名誉毀損やプライバシーの侵害をたてにした強迫に容易に屈してしまうことになる。このことは、著者も気づいており、某宗教団体の例をあげ、くりかえしWikipediaに警告している。編集というのはたとえそれが名誉毀損をチェックすることであっても検閲制度には違いない。新聞は真実かどうかチェックすると言いながら、自分たちのイデオロギーに都合がよいかどうかチェックしているだけなのだ。

Wikipediaは便所の落書きにならないなら、肝心のことが書かれていないつまらない百科事典になるだろう。一番危惧されるのは、あきらかに間違っていることが、両論併記されることで、あたかもそれが真実の可能性があるかのごとき印象をあたえることだ。このことは、いずれ2ちゃんねるの問題とあわせて考えてみたい。

2008.07.04[Fri] Post 20:26  CO:0  TB:0    Top▲

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