『魂のジュリエッタ』
ニーノ・ロータのCDを聴いたからだろう、ニョウボが突然、フェリーニの『8½』をみたいと言い出した。古い映画を借りるならGEOよりTSUTAYAだろうと行ってみたが、展示棚が大幅に変えられて、以前あった監督や俳優別のコーナーがなくなっていた。そのかわり新作が棚いっぱいに並び、ほかの棚もTVシリーズや韓流やアニメばかりで、以前はたくさん並んでいたドキュメンタリーもどこにあるかわからない。VHSの名画も少数を残して片づけられてしまった。
御殿場はそれまでTSUTAYAの独占だったのが、あとからGEOが新作100円(あとで確認したら10円だった)の特別レンタル料で進出してきて、一時、TSUTAYAはがらがらになったけれど、キャンペーン期間が過ぎて値段にそれほど差がなくなったこともあり、近頃は客が戻ってきたようだった。わたしも、単館上映の作品や旧作の名画が充実しているのでTSUTAYAを利用することが多くなった。TSUTAYAも最初の頃は品揃えの多さでGEOに対抗しているようだったが、次第に新作重視に戦略を変えてきた。 GEOは駐車場も広いし、レンタル料も安い、それにネットで会員登録しておくと返却日を前日に教えてくれるのも、呆けが始まった私には大変便利なサービスだ。自分のレンタル履歴も見られるのは便利だし、しかも消したい履歴を消すことも出来るから、特殊な趣味の人には便利である。そういうわけで、GEOのほうが人気があるのだが、それが逆にあだになって、新作がいつもすべて貸し出し中になっている。よっぽどのチャンスがなければ、一ヶ月ぐらい待たなければならない。 反対に、TSUTAYAはいつ行っても新作が借りられると言う状態が続いていた。その間、クーポン割引や旧作割引、新作一週間などの競争も続き、しかも、TSUTAYAには当日、翌日、二泊のレンタルもあって、GEOとくらべてどちらが安いのか一概に言えなくなった。(今度いったらレンタル料を正確に調べてきます)たぶん、当日に返せばTSUTAYAのほうが安いのだろう。 とにかく、TSUTAYAにも客が戻ってきたのは、新作がいつでも借りられるというのが大きな理由だろう。人気の新作は50本ぐらい並んでいる。さて、つたやとゲオの戦いはどうなるかわからない。この戦いも放送と通信の融合で、ビジネスモデルとしてはもはやダメになるのはハッキリしているのだが、TSUTAYAもGEOも巨大権益集団の地上波テレビ局の支配下にあるようだ。地上波のテレビドラマをDVDにしてレンタルするなんて考えてみればおかしなことだ。 話は脱線した。結局、店員に在庫を確認してもらったら、フェリーニの作品は『魂のジュリエッタ』と『道』しかなかった。後で判ったことだが、『8½』のDVDはやっとのことで5/31日に発売だそうだ。 ともかく『魂のジュリエッタ』を借りて見た。この作品は四度目だと思うが、見るたびに化けの皮がはがれて行くような気がする。冒頭の結婚記念日にジュリエッタが夫の帰りを待つシーンは、女中二人と鏡と集音マイク(?)を巧みに使って、ジュリエッタのうきうきした気持ちをあらわしていて見事なのだが、このシーンもむかしほど感心はしなかった。あとは、子供の頃の宗教体験も探偵も祈祷師も隣の女もシュールな夢も、なんかフェリーニ・ブランドの残骸といった感じで、どちらかといえば見すぼらしい映像であった。 『魂のジュリエッタ』はフェリーニの初めてのカラー作品ということだが、フェリーニも黒沢明と同じようにカラーになってから、おかしな作品を作るようになったのかもしれない。しかし、巨匠といわれるひとたちはなぜ、年をとるに従っておかしくなるのだろう。ゴダールとかスピルバーグばかりではなく、チャン・イーモウやアルモドバル、それとパトリス・ル・コントも近頃どうも怪しいのではないか。 ぼけた巨匠に敬意をひょうして星二つ半★★☆ TRACKBACK
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