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『善き人のためのソナタ』と『仕立て屋の恋』

盗聴と覗き見

ベルリンの壁崩壊前後の東ドイツについての映画、Die Zeitの映画評によると、「サン・アレー」より政治的、「グッバイ、レーニン!」より哲学的、「Berlin is in Germany」より風刺的だそうだ。
 この映画が始まって、じきにヴィースラー大尉がヘッドフォンをして盗聴を始めた。ニョウボがいきなり「これは『仕立て屋の恋』だ」と言った。それに影響されてか、ヴィースラー大尉がクリスタに恋をするのだろうと、そればかり気になって、肝心の監視社会での良心といったテーマがどこかにいってしまった。
 たしかに、テーマは異なるが、シナリオの構成が「仕立て屋の恋」そっくりで、もちろん構造は変換されているのだが、盗作といわれても仕方ないぐらい似ている。盗聴と覗き見、几帳面に仕事をする職人、恋人の代わりの娼婦、証拠品(タイプライターとレインコート)の隠し場所、裏切り、そして最後の事故死など、たんに小道具とはいえない重要な働きをしている。
 どちらがおもしろかといえば、だんぜん『仕立屋の恋』だ。ムッシュ・イールには自分を同一化できる。半地下の仕事場の場面は見ていて恍惚となる。ボーリングのシーンもすばらしい。なによりエロティックである。覗きという関係が痴漢の関係に変わるところは、これまで作られて映画の中でもっともエロティックなシーンである。それと、監督のパトリス・ルコントが女嫌いなところがすばらしい。
 それにくらべ、『善き人のためのソナタ』は主人公のヴィースラ大尉にアイデンティファイできない。ナチやシュタージの時代にドイツの善良な人々が苦しんだというのはわかるが、だからといって、音楽やブレヒトで良心に目覚めるというのも、安易すぎる。それじゃわざわざ映画を作る意味がないじゃないか。
 クリスタに魅力がないのが致命的で、舞台に立つために身を売ったというのもポルノ映画の粗筋みたいで、わたしには同情心がまったく起きない。さいごに交通事故で死んで、罪をあがなってやるのは、ちょっと女性に甘すぎないか。(いま、ニョウボが、麻薬を打ってるからって、クリスタの悩みが深いということにならない。いい加減なことを言うなと怒っています。もっともです)
 劇作家ドライマンにも共感できない。友人が自殺したからといって、きゅうにシュピーゲルに協力するのは納得できない。東ドイツは自殺者が多いという記事だというのだ。なんかとってつけたような理由じゃないか。見ていて呆然とした。それとパーティの場面は本当につまらない。
 邦題が酷い。原題『Das Leben der Anderen』(他人の生活)のほうがマシ。

 『善き人のためのソナタ』は最後のハッピーエンドがちょっと感動的だったので、おまけで星一つ半★☆
 『仕立屋の恋』はもちろん星五つ★★★★★
2008.02.25[Mon] Post 17:02  CO:0  TB:0  映画  Top▲

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