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「父親たちの星条旗」

「父親たちの星条旗」★★★

 クリント・イーストウッドのファンである。ダーティ・ハリーのシリーズは大好きである。「ミスティック・リバー」は紛れもなく傑作である。だから、クリント・イーストウッドの映画は映画館で見ることにしている。さいわい、近くのシネコンで上映していたので、缶ビールとポップコーンを持って見に行った。最近では、ここの映画館でしか映画を見なくなった。単館上映の映画はめんどうなので、DVDでみることにしている。
 結論からいうと、イーストウッドにしては凡作である。彼の作品のなかにいつもある復活・復讐のテーマがない。「許されざる者」にも「スペース・カウボーイ」にも「ミリオンダラー・ベイビー」にも復活復讐の劇があった。
 「ミスティック・リバー」は、ショーン・ペンが娘の復讐をするというつまらないメロドラマにみえるが、実は、そうではない。この映画の主人公はショーン・ペンではなく、ティム・ロビンスであり、復活のドラマなのだ。ただ、順番が逆になっている。ティム・ロビンスは子供のときに受けた虐待の復讐を無意識のうちにするが、その記憶がない。ショーン・ペンは娘を殺したのはティム・ロビンスだと疑って、白状しろと脅迫する。ロビンスは記憶を取り戻し、彼の娘を殺してはいないことを思い出す。そして、虐待のことも。自分が誰なのかも知る。自分が自分になる。復活するのだ。そのとき、かれは、はじめて生きていきたいと思う。
 ペンは「娘を殺したと本当のことを言えば許してやる」という。娘を殺したのは自分ではない。しかし、生きていくために、殺したのは自分だと、嘘をつく。ところが、約束をやぶって、ペンはロビンスを殺す。ドラマはショーン・ペンの凡庸なる復讐劇のように見えるが、そうではない。この映画の主人公はティム・ロビンスで、テーマは彼の魂の復活なのだ。
 「父親たちの星条旗」には、残念ながら復活も復讐もない。ハード・ボイルドどころか、軟弱なドラマである。ネイティブ・アメリカンの英雄が、死んだ戦友の母親の肩でぐずぐずと泣き、酒場に入店を断られたといって、酔って暴れたり、どうも見ていて楽しめない。勿論、復讐も復活もないのが戦争で、まさに、そのないことがテーマなのだと言われれば、そうかもしれないと引き下がるほかないけれど、「スペース・カーボーイ」では国家に復讐したし、マーティン・スコセッシの「タクシー・ドライバー」は狂気をもって復讐をしたではないか。
 落ちぶれた英雄が、記念写真のモデルになって、小銭を恵んでもらう場面が終わりの方にあるのだが、なんとも、やりきれないリアリズムで、そういえば、クリント・イーストウッドが監督した「マディソン郡の橋」のラスト・シーンも、ずいぶんとベタな雨の中の別れだったのを思い出した。
 イースト・ウッドは、普通の監督になってしまったのだろうか。「ミリオンダラー・ベイビー」でも、ラストの安楽死の場面はハード・ボイルドというより、ちょっとセンチメンタルになっていたような気がするけれど、ひょっとして、ボケが始まったのかもしれない。
 まあ、スピルバーグの影響で、ちょっとヒューマニズムっぽい戦争映画になっているけれど、それなりの佳作ではあります。
 とにかく「硫黄島からの手紙」を見るのが楽しみです。
[movie touchから転載]
2007.12.14[Fri] Post 16:24  CO:0  TB:0  映画  Top▲

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