「情熱大陸」で大竹伸朗を見た。
『全景』のカタログができたら、大竹論を書くつもりだったが、会田誠の《書道教室》論のついでに
《宇和島駅》について書いたら、大竹にたいする興味がなくなってしまった。というより書くことがなくなったのだ。
でも、情熱大陸を見ると、まだまだ大竹のブームは続いているようだ。大竹はかってニュー・ペインティングの旗手として大騒ぎされたというのだが、まともな大竹論を読んだことがない。唯一の例外は浅田彰のジャンク・アート説だが、それも素材がゴミだという、見れば判ること指摘しているだけで、大竹の作品の面白さがどこにあるか教えてはくれない。
たぶん、みんなは大竹伸朗の作品よりも、「大竹伸朗というアーティスト」のパファーマンスを見て喜んでいるのだろう。ある美術のサイトで、売れないアーティスト二人が美術展評の漫才をやっているのだが、そこで二人は、大竹伸朗は美大生の理想を実現しているというのだ。美大生は大学に入学すると、学校もいかないで友達とバンドやったりして、それでも売れたらいいなあと思っている。それを大竹は実現しているというのだ。これ以上的確な大竹論はないと思う。
「情熱大陸」は、なんだか宇和島の町おこし、あるいは夕張のルポルタージュみたいな番組だったけど、それが芸術家大竹伸朗のパフォーマンスになっており、それなりに大竹芸術の正体を見せてくれたという意味で、なかなかよくできた番組といえる。