ポーラ美術館で見た
ボナールの裸婦に欲求不満が残っていたところ、ルノアール展が開催中だと知った。『ルノアール+ルノアール展』(Bunkamuraザ・ミュージアム08年)で見た『陽光の中の裸婦』や『ぶらんこ』の印象が強く残っていたこともあって、国立新美術館にルノアールを見に行った。
千住博は
「ルノワールが王道だ」と言っていたけれど、たしかにルノワールはすぐれた技法の持主といえる。しかし、その技法で何を描いているかというと、童顔の豊満な肉体の、誰もが知っているルノアール調の女性をたくさん描いている。ニョウボは「ルノアールは東郷青児だ」というのだが、今回の展覧会でも、東郷青児ほど図案化されているわけではないけれど、着衣でもヌードでも、これほど同じ調子の人物画を並べられると、どうしてもイラストや挿絵にみえてしまう。
ルノアールは情感豊かな世界を表現しているので、絵画の内容が形式的なものを抑圧してしまい、それだけ色などの絵画の面白さが伝わってこない。はじめは丁寧に見ていたのだが、途中からルノワールのロリータたちに飽きてしまい足早に会場をあとにした。
ルノワールには印象派のブーグローではないか。
ポーラ美術館でマチスの
「テーブルの影」をもう一度見にいくつもりだ。